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【連載】『週刊ビル経営」にて連載「CRE戦略最新動向」第1回が掲載されました。
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2017.07.20

【連載】『週刊ビル経営」にて連載「CRE戦略最新動向」第1回が掲載されました。

「週刊ビル経営」7/17号にて、連載『CRE戦略最新動向』第1回「CRE戦略とは何か」が掲載されました。

週間ビル経営1
出典:週間ビル経営7/17号

従前までの企業不動産「CRE」の在り方が大きく変化している。いまや経営戦略の一環として注目を集めるようになっているのだ。CRE戦略のコンサルティングを行うプロレド・パートナーズにCREの最新動向を解説してもらった。

CRE戦略とは何か

本稿は「CRE戦略」についてより理解を深めていただくために、その概要と詳細を全6回に渡り説明します。初回のテーマは「CRE戦略の概要について」です。
企業は自社ビルや工場、倉庫、店舗、社宅、遊休地など、保有もしくは賃借などにより何らかの形でかかわっている不動産を「CRE(Corporate Real Estate=企業不動産)」と呼び、そのCREを経営的な視点を持って有効に活用する戦略を「CRE(Corporate Real Estate=企業不動産)戦略」と呼びます。

目まぐるしく事業環境が変化する昨今においては、CREを経営的視点から如何に有効活用すべきか、という点について論じられる機会が多く見受けられ、CRE戦略の重要性が高まっていることが分かります。
しかし一口に不動産と言っても、不動産には同じものが2つとなく、その価格は物価変動と同様に経済状況等に応じて変動します。また、実際に不動産を利用するにしても、その方法には自社保有(購入、開発)・賃借(開発、新規、居抜、一括・部分)、転借など多数の選択肢があります。それらの選択肢について経営視点からもメリット・デメリットを把握、分析し、不動産を的確に利用しなければなりません。こうした複眼的な視点と、不動産に関する専門的な知見を要することから、CRE戦略の実践に課題を感じている企業が多いのが現状です。
過去に弊社が全国の一般事業法人を対象に実施した、保有不動産(50億円以上の不動産)に関するアンケート調査からは、下記図1のような課題が挙げられました。これらは効果的にCRE戦略に取り組むために「解決すべき」重要なポイントとなりうるため、一部ご紹介します。
週間ビル経営1_図表1

不動産の管理方法(情報の一元化)

企業不動産の情報が散在し、管理が一元化されていない状況にある場合、まずは社内の情報整備が必要です。自社が利用している不動産はどういう種別の不動産で、どの程度の数があり、保有しているのか賃借しているのか、もしくは賃貸しているのか、関わる全ての不動産の情報を整理します。また契約書ベースや書類での管理になっていることが多い企業不動産の情報をデータベース化し、管理する部署や管理フローを検討しなければなりません。経営戦略と同じように最適なCRE戦略を計画、実行するには、正確に整備された情報をタイムリーにアクセスできる環境を整備する必要があるわけですが、前提条件として不動産以外の経営情報も同じように整備されている必要があります。

売却・賃貸・購入判断基準

多くの企業では総務部や管理部で不動産関連の情報を管理しています。そのような場合、賃借しているオフィスの賃貸借契約書についてある程度の知識を持っており、契約手続きなど事務的な業務に支障はなく、状況によっては賃料相場まで調査し、しっかりとした交渉を行っているケースも多くあります。しかし、ファイナンスを踏まえて移転にかかるイニシャルコストとランニングコストを中長期的に比較したり、採用やブランディング、営業の視点から、立地やオフィスグレード、内装デザインまでを考慮してオフィス物件を選定したりといったところまでは、検討・計画できてないケースも散見されます。
このようなケースにおいては、単にコストカットや人員増加に伴う増床だけをオフィス移転の目的にするのではなく、オフィスに関連する各経営指標を把握し、優先順位を明確にします。その上で、総務部だけでなく、財務部、人事部、広報部、マーケティング部など関連部署とオフィス移転を協議すれば、ベストな移転が実現できるでしょう。
一方ビルオーナーとしては、移転ニーズがそれまでの単なる増床・減床から、ブランディングやマーケティング、採用へと大きく変わりつつあることを認識する必要があります。

事業基盤(統廃合・出退店等)

グループ会社の吸収やM&A等で大きくなった企業の場合、トップや経営企画室としては、営業拠点や店舗の適正配置・統廃合といった課題解決に必要性を感じていることが多いでしょう。しかし「拠点毎・営業担当者毎の売上」「既存顧客情報、新規見込顧客情報」「営業マンのニーズ」といった営業情報や、拠点ごとの「相場賃料」「中途解約コスト」「転貸の可能性」「BCP上のリスク」「坪効率」「物流上の効率」などの不動産情報を総合的に整備できていない状況から、全社的な課題解決が計画段階で止まっている状況が多く見受けられます。
なお本件については、次回以降に実際の弊社サポート事例をご紹介したいと思います。

不動産業を主な事業としている企業においては、不動産にとってベストな活用が経営視点でのベストな活用に直結するため、現状の不動産の活用方法に大きな問題は無い可能性が大いにあります。そのような場合にも、所有ビルのリーシング時にテナント視点のCRE戦略を読み取り、条件交渉や改装に活かすという手段は有用です。
例えばセールスポイントが2つ以上あるビルに関しては、内覧時点でのテナントニーズを正確に把握し、CRE戦略視点でテナントを見てください。そのテナントが重視しているのは立地なのか、グレードなのか、フロア面積なのか、価格なのか。ビジネスは営業系かIT系か、伸びているのか、現状維持か。それによって、競合ビルが変わってきます。中には床荷重や窓からの借景に魅せられて入居を申し込むテナントもいます。それらの詳細なニーズを掴むことで、入居時の条件交渉において優位に立てる可能性が高まります。
それらを把握するためにも、現在入居しているテナントはなぜ自社のビルを選んだのか、他に検討したビルはどこか、良くなかった部分はどこかなどをヒアリングしていくことも今後のリーシングに繋がると言えます。なお、弊社は過去に4度移転を経験していますが一度もヒアリングされたことはありません。

過去からの推移やIT技術の進展により、不動産の経営におけるパーツ化は確実に進んでいます。今後はもはやCREという概念を持つこと自体古くなり、当然のこととして経営視点で不動産をジャッジする企業が増えていくと考えます。

Takayuki.A
プロレド・パートナーズに参画後、ファシリティコストのコストマネジメントに従事。流通・小売の大手企業を中心に数多くのプロジェクトに携わり、施設/店舗の調査や分析及び商談を実施。数多くの費目を担当することで幅広いコンサルティング経験を有する。