建築現場のAs-Is業務可視化
プロレド・パートナーズはコンサルティングファームの新しい形を常に模索し、クライアントにとって最も成果につながる、企業価値を向上させるサービスを追求し続け、完全成果報酬でコンサルティングを手掛ける国内唯一の経営コンサルティングファームです。
企業概要
クライアント業種 | 住宅建築業 |
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企業規模(売上高) | 50億円 |
実例概要
当該クライアントは、業務可視化が出来ていないままに「建築現場の業務効率化に向けたシステム導入」を検討していたため、システムの投資判断が上手く進まない状況にあった。
システム導入の前には「業務可視化」を行うことが重要なポイントである。そこで、システムの投資判断するための検討材料が明らかにするために、「どのようなフローで業務を進めているのか」や「各業務にどれだけの工数がかけられているのか」など、建築現場で行われている業務内容を徹底的に可視化した。
直面していた経営課題
継続的な会社発展のために、より一層の付加価値向上や業務効率化を目指しており、その一環で「現場が付加価値の創造に集中できる環境作り」を進めていた。既に、バックオフィス業務に対するシステム導入は実施していたが、さらなる業務効率化を図るためにも建築現場領域の業務効率化を推し進めることになった。
システム導入には多額の投資が必要なため、費用対効果の評価が重要となるが、評価のベースとなる業務体系・フローの整備が不十分(項目の粒度が異なる、共通言語で統一されていない、項目の抜け漏れがある等)であったこともあり、費用対効果の算定は難航していた。
コンサルティングアプローチ
1.適切な業務可視化手法の選択
業務可視化の手法は多数存在するが、それぞれにメリットとデメリットがある(例えば、下表の「①実測法」は、最も正確に時間を把握できるというメリットがある一方で、手間がかかり、相手の心理的負担も大きいというデメリットがある)。そのため、限られたプロジェクト期間で業務可視化を完了させるためには、クライアントの状況を踏まえた業務可視化手法の選択が重要となる。当該プロジェクトでは、「業務体系やフローの整備は遅れているが業務に精通した担当者が多い」、「現場業務にポイントを絞って短期(2ヵ月)で進めたい」といった事情を踏まえて、下表の「③経験的見積法(3点見積法)」が望ましいと判断した。
2.巻き込み型活動による関係者合意形成
業務可視化におけるポイントは2つあり、1つ目は、目的(当該プロジェクトでいうと、システム導入の費用対効果算定)から逆算して、業務可視化テンプレートの横軸に何を置くか、といった「①調査項目の設計」。2つ目は、業務可視化テンプレートの内容精度を高めるために、どのような手順で調査を進めていくか、といった「②調査手順の設計」である。
当該プロジェクトでは、この2つの業務可視化ポイントを組み込むと同時に、ソフトランディングで担当者を巻き込みながら調査を進めるアナログ的方法を採用した。この方法のメリットは、担当者の心理的な抵抗や面従腹背を極力抑えながら調査を進められる点である。
実現効果
今回の業務可視化(業務棚卸し)により、システム導入によって改善される現場業務の内容や削減工数が明らかになったことで、システム導入の費用対効果を定量的な根拠に基づいて評価することができた。
同時に、これまで項目の粒度や表記が統一されておらず項目の抜け漏れがあった業務体系・フローが、誰が見ても理解できる抜け漏れのない内容となったことで、業務の標準化や平準化の取り組みへとつながり、結果として業務効率・品質向上を実現した。
具体的には、業務可視化テンプレートに基づいて、部署ごとの生産性を算出・比較し、改善すべき部署を特定。加えて、部署別に可視化した業務量と実際の勤怠データを突合し、部署ごとの業務負荷率を算出することで、平準化の取り組みに進展するに至った。