今回、なぜ当社にコンサルティングをご依頼いただいたのでしょうか? その背景を教えてください。
今村様:私たちは「調達部門」の者ですので、当然、調達の適正化というミッションがありますが、2024年に組織が変わり、リソース不足、調達に関する知見が不足していることから、間接材調達に関する知見が豊富なプロレドさんにコンサルティングをお願いすることにしました。

2024年からの新しい取り組みで、何がどのように変わりましたか。
今村様:最初に、データ分析に強みを持つコンサルタントの山本さんに全てのデータを渡し、分析してもらうことから始めました。山本さんは様々な大企業の支出データを分析した経験があると聞いていたので、面談の後、ぜひ山本さんにとお願いしました。
名指しされた山本さんはいかがでしたか?
プロレド山本:白羽の矢を立てていただいて、驚いたというのが正直なところです。
具体的な進め方としては、最初の一ヶ月間でデータの全体像を把握し、それらを二ヶ月かけて分析と問題点の洗い出しを進めました。
今村様:第三者の分析によって、各部門が独自に行っていた購買活動や、異なるシステムの使用状況が明確になりました。山本さんが分からないところは逐一質問してくださったので、「これは特定の誰かに聞かないと分からない情報だ」「この情報は部署間で共有できていない」など、それまで当たり前に回っていた業務の中にも見過ごしていた問題があることに、私たち自身も気付くことができたわけです。
その結果、間接材を誰がどこで買っているのか、いくらでどれだけ買っているのかも、簡単に一元管理できるようになりました。
飯田様:確かに最初は急な変化に戸惑い、不平を持つ社員もいたのですが、いつしか自分たちの商品を「誰にいくらで買われている」「どういうサプライヤーからモノを買っている」という目で見るようになってきたんです。そして、それが本当に適正な金額なのか、適したサプライヤーさんなのか、といったことも含め、「やっぱりこういうことを逐一やっていく必要があるよね」という機運が高まっていったように思います。
それまで漠然と気になっていたことが、プロレドさんにきちんとした数字を挙げてデータ分析してもらったことによって、「ここは見直しをせねばならない」という具体的な課題として見えてきました。
今村様:さきほど申し上げた「データ分析に長けている山本さんにお願いした」という理由も、その点にあります。現場に回ったり、狙い所を変えたりすることは、土台ができたあとに私たちの方でも対応できるかもしれません。しかし、その前提となる部分、数字やデータを見て「どこが弱点だ」「見直すべき点はここだ」と指摘してくれる専門家を、私たちは求めていたのです。走り出す前の土台の部分を固めてほしかったのです。

私たちコンサルも「集中購買でコスト削減」といった話はよく求められるのですが、実際にそれを進めるのは大変ではありませんでしたか?
飯田様:もちろん大変でした。会社がコンサルティング会社を入れて「さあ大改革をするぞ!」と旗を振っても、けっきょく形骸化してしまったというケースや、「コンサルに頼んだらよけいに手がかかってしまった」というような話はよく聞きます。
たしかに、さまざまなエビデンスを重ねて分析をしていくのは気の遠くなる作業だと思うんです。山本さんも、私たちの業界の詳しいところや、ましてやその先のサプライヤーさんのことまで理解するのは、相当なキャッチアップのご苦労があったと思います。
プロレド山本:そこの部分は、お客様に本当に助けられたと思っています。当社にもある程度の経験とノウハウの蓄積はありますが、やはり細かいところは当事者に聞かなければ理解できない部分もたくさんあります。そういうとき、JTのみなさんは丁寧に教えてくださいましたし、今村さんなど、「分からないことがあればいつでも出社しますよ」とまでおっしゃってくださって。
自分が徹底的に調べようとすればするほど、いろんな方が協力してくださって、だいぶ巻き込んでしまった気がします(笑)。
飯田様:山本さんご本人のスキルが高いのはもちろんですが、いつも迅速に対応してくださったうえ、「分析が終わったらそれで終わり」ではなく、常駐もしていただきました。おかげでコミュニケーションもとりやすく、それは本当によかったです。
プロレドさん全体について言えば、社内にいろんな経験を持った方が集まっていて、そのバックアップの母集団が大きい、という印象を持っています。
今村様単純なコスト削減なら、最終的には紙に数字を落としていただくだけ、なんならサプライヤーさんを呼び出して「別の安いサプライヤーさんを探しますよ」とする手もあります。ですが、この費目はこういうふうにあるべきだ、と分析していくと、ただ値段が下がればいいというわけではなく、もっと全体を網羅的に見なければならないということが分かります。
飯田様:その上で──やっぱりコンサルさんって、相手を納得させられるような資料を作るのが上手じゃないですか。山本さんや他のスタッフの方にもそのあたりもうまくやっていただいて、また何か間違いがあれば方向修正もすぐにやってもらえるような機動力もあって、そういった部分にすごく助けられています。
プロレド山本:ありがとうございます。私自身も、御社との仕事を通じて自分が成長できたと実感しています。今までは会社の中でただデータを積み上げていくようなことが多かったのですが、その分析を手に社外に出ることも増えました。今回JTさんに常駐させていただき、クライアント様と直接お話をして、おなじ目線でおなじ目標に向かって伴走できたということが、自分自身にとってもすごく成長となりました。知識もたくさん得ることができて、とても充実した1年でした。 コンサルタントとクライアントという関係ではなく、私を一人のメンバーのように受け入れてくださったことが、とても嬉しかったです
