プロレドに入社する前は電力会社でキャリアを積まれていたそうですが、前職でのご経験について教えてください。
最初の2年間は現場業務を担当し、その後の2年間は情報システムの子会社で設計からプログラミングまで幅広い業務を経験しました。その後は本社の情報システム部門に戻り、販売系システムの要件定義や基本設計といった上流工程に携わりながら、社内DXや業務改善プロジェクトにも取り組みました。6年半の在籍期間を通じて、システム開発の上流から下流まで一通り経験できたと感じています。

経験を積まれる中で、転職を考えるようになった理由は何だったのでしょうか?
社内の改革プロジェクトなどを通じて、自分の働きや成果に対してフィードバックをもらえることにやりがいを感じるようになりました。単に褒められたいというよりは、改善点への指摘も含めて、率直な意見を受けることで成長できるのが嬉しかったんです。一方で、優秀な方が多かったのですが、そうした方が正当に評価されていないと感じる場面もありました。自分の取り組みをしっかり評価してもらえる環境を求める中で、これまで培ってきた専門性も活かせるコンサルタントの道を選びました。
電力会社からコンサルタントへというのは、大きなキャリアチェンジですね。
たしかにキャリアチェンジではあるのですが、私の場合は前職で「コンサルタントと働いた経験がある」という点で恵まれていたと思います。前職ではコンサルタントの支援を受ける立場として彼らと仕事をしてきたので、良い面もその逆も含め、目指すコンサル像や指針のようなものが自分の中にできていたんです。クライアントがコンサルタントに何を期待するのか、その視点や成果のイメージを肌感覚として持てていたおかげで、実際に入社してからも大きなギャップはありませんでしたね。
コンサルティング業界の中でも、最終的にプロレドを選ばれた理由は何でしょうか?
転職活動の時点で、明確に他のファームとの違いを意識していたわけではありません。ただ、自分の成長に直結するフィードバックを重視していそうな会社であること、社内政治のようなものに縛られず、自分のアイデアを実行まで落とし込める環境であること、そしてキャリア形成においてしっかり経験を積めることの3点を大事にしていました。規模的にもチャレンジの機会を得られそうだと考えて、最終的に選んだのがプロレドでした。

実際に入社されてみていかがでしたか?
ギャップはありません。コンサルティング業界自体が初めてなので他社との比較はできませんが、プロレドでは業界やソリューションごとに業務を細かく分けるのではなく、案件ごとにさまざまな形でアサインされます。そのぶん、自分次第で幅広いチャレンジができる環境だと感じています。
未経験入社ということもあり、課題の捉え方や解決策の提示といった点ではまだまだ先輩方から学ぶことばかりです。私は身近な先輩をロールモデルにして、「この領域ならこの人」「このアプローチならこの人」といった具合に参考にしながら、わからないことは素直に質問してきました。転職の際に重視していた「率直なフィードバックが欲しい」という点についても、上司やクライアントからしっかり意見をいただけていて、成長につながっている実感があります。自分の取り組みに反応をもらえる環境は、楽しいですね。
社員同士の関係性についてはどのように感じていますか?
仕事をする上では時に耳の痛いフィードバックも受けますが、落ち込むことはありません。相手が自分の成長のために言ってくれていることが伝わりますし、クライアントに質の高いものを届けたいという思いからの指摘だとわかるからです。意識の方向が、仕事やクライアントに向いている限り、「その通りだな」と自然に受け止めています。
また、コンサルタントのようにプロジェクト単位で進む仕事は人間関係が限定的になりがちですが、プロレドではそれを補う工夫もされています。たとえば、部門の懇親会といった交流の場があり、自然なつながりを生むきっかけになっています。部門の懇親会は参加必須ではなく、気が向いた時に参加できる雰囲気です。実際、私も行ったり行かなかったりですが、交流したいと思った時にそういった場があるのはありがたいですね。
前職とコンサルティングファームとの違いを、どのように捉えていますか?
一番の違いは、目的意識と推進力の強さだと感じています。前職は組織が継続的に動いていく中で、「いつまでに何をやるか」という観点での強い推進力はあまり感じられませんでした。一方プロレドでは、クライアントも社内のメンバーも非常に強い目的意識を持って動いています。私自身ものんびり構えていられないぞという気持ちで、自分の果たす役割や立ち位置を常に意識するようになりました。
前職では、その会社や部署に腰を据えて業務に取り組むことができました。ただ、私の場合はそこにとどまらず視野を広げたいという思いが芽生え、30歳を目前に「このままでいいのか」と考えるようになりました。少しでも視野を広げたいという気持ちがあるなら、プロレドはチャレンジするのに良い環境だと思います。
特にITの領域にいる方は、支援を受ける側としてコンサルタントと一緒に仕事をする機会もあるのではないでしょうか。その中でコンサルの仕事ぶりに刺激を受けたり、「自分ならこうする」と感じたりするような瞬間があれば、実際に挑戦してみるのも面白いと思います。SIerとコンサルタントは実はそこまで遠い存在ではなく、仕事内容や目指している方向も大きくは変わりません。少し立場を変えて挑戦してみたいと思うなら、十分にチャンスがあるはずです。

藤森さんご自身が目指すコンサルタント像はありますか?
コンサルタントは、例えるなら医者のような存在だと考えています。病の原因となる課題を診察し、処方箋を出す仕事です。その中で今の私は、処方箋をもとに薬を調合する薬剤師のように、解決策を組み立て、プロセスを描き、実行まで伴走する役割を主に担っています。チーム内でそれぞれ力を発揮できる環境が整っているからこそですが、将来的には医師として“診察”のところからしっかり担えるようになりたいですね。
一方で、この仕事にはコンサルタントと名乗ることの難しさもあると感じています。肩書としては華やかに映るものの、「コンサル」という言葉の解釈は幅広く、人々が抱く印象もさまざまです。だからこそ、「胸を張ってコンサルタントを名乗るとはどういうことか」を考え続け、その答えを実践の中で磨いていきたいと考えています。
藤森 玄
コンサルティング第1本部 デジタル&ハンズオンセクター シニアコンサルタント
大学卒業後、大手電力会社に入社し、情報通信部門にて主にユーザー向けシステム開発に従事。要件定義からコーディングまで幅広い工程を経験。さらに社内の組織改革・DX推進活動を通じて、業務変革・業務効率化プロジェクトを多数支援。2025年に株式会社プロレド・パートナーズに入社。


