電気料金のコスト削減
電気料金は、再生可能エネルギーへのシフトや発電コスト(燃料費)の上昇、市場連動型プランの浸透により、料金体系が複雑化しています。プロレド・パートナーズは、独自のデータベースと新電力会社とのネットワークを用いて、クライアントの利用実態に応じた電気料金のコンサルティングサービスを提供しています。ここでは電力業界およびコスト構造の紹介とともに、当社が実施する削減手法の一部をご紹介します。
業界・コスト構造
(1)電力業界
電力業界は「発電」「配送電」「小売電気事業者」の3つで成り立っており、2016年の小売全面自由化以降、小売電気事業者数は700社を超え、各社での競争も激しく、適切な電力会社の選定が重要となっております。
(2)電気料金プランの種別
電気料金プランは大きく分けて「固定プラン」と「市場連動プラン」の2つがあり、電力市況によって、メリットを享受できる場合もあれば、デメリットとなることもあるのが特徴です。
<料金プラン>
強み | 弱み | |
固定プラン | ・契約期間中は単価の変動がないため、年間の電気料金が見通せる ・燃料費等調整額が高騰しない限り、大幅な料金変動が起こりにくい | ・市場価格が下がった際にメリットを享受できない ・調達コストが高騰した際に小売事業者の倒産リスクが一定程度ある |
市場連動プラン | ・JEPXの取引価格が安い時間帯は単価が抑えられる(電気料金が低くなる) | ・JEPXの取引価格が高騰した際には、単価が大幅に上昇する ・料金が日々変動するため年間の電気料金の予測が困難 |
(3)電気料金のコスト構造
電気料金は大きく、以下の6つで構成され、電力量料金、燃調費等調整額、容量拠出金、再エネ賦課金は使用量に応じて変動します。
<電気料金のコスト構成>
① | 基本料金 | 契約電力(㎾)や契約容量(㎸A)に比例する料金 (一般的に月々の基本料金は固定) |
② | 電力量料金 | 電気の使用量に基づき算定される料金 |
③ | 各社割引 | 各契約における相対割引等 例:契約電力×割引単価 例:電気料金×割引率 例:毎月固定額 |
④ | 燃料費等調整額 | 原油・LNG・石炭の燃料価格の変動に応じて、旧一般電気事業者(地域の電力会社)が単価を設定(外的要因を受ける) |
⑤ | 容量拠出金 | 容量市場における電力供給力の確保を目的に、高利電気事業者および一般送配電事業者、配電事業者が負担する料金 |
⑥ | 再生可能エネルギー 発電促進賦課金 | 再生可能エネルギーの発電コストを電気料金の一部として需要家に負担するよう国が定めたもの。(単価は経済産業大臣が毎年設定) |
電気料金の相対価格設定は主に、①基本料金や➁電力量料金の単価を安価に設定することと、③各種割引で調整する方法により行われています。各小売電気事業者の電源調達力、燃料調達価格がそのまま価格競争力に繋がってきています。
一方、700社を超える小売電気事業者の価格競争力を、自社のリソースのみで「網羅的に、市場動向も踏まえ適正水準であるかを定期的に判断」することは、手間がかかる作業となっており、難易度が高いものと推察されます。
プロジェクトアプローチ
プロレド・パートナーズはコスト削減に強みを持つコンサルティングファームです。ここでは、プロレドが手掛ける電気料金のコスト適正化の特徴をご紹介します。
下記4つのステップでプロジェクトを進行します。アプローチは、①バックコンサル手法と、②プロレドが前面に立って協議を行う手法の2パターンがあります。②の手法では、1番目と4番目のステップにてご協力いただくのみで、クライアントの負担が最小限となるよう進めていきます。
現状把握から契約締結まで、プロレドの専門コンサルタントが一貫してコスト削減に関わる業務を遂行します。

(1) 施設ごとの詳細な電気使用実態把握
クライアントの各拠点での電気使用実態を詳細に分析し、前述の電気料金のコスト構造に基づいて現状のコスト構造を把握します。経験豊富な電気関連の専門コンサルタントが、プロレド独自の数百社の電気事業者をデータベース化したデータを活用し、削減可能性を評価します。さらに、ヒアリングによってクライアントに合った電力会社の選定基準を定め、最適な選定をサポートします。
(2) 費用の妥当性と改善余地の見極め
価格競争力、安定供給力、再生可能エネルギーの取り扱い等、クライアントが小売電気事業者に求めるポイントから、複数の候補先を提示します。これにより、自社で進めるよりも工数を大幅に削減でき、迅速な意思決定ができる体制を整えています。
(3)契約条件及び価格の協議
プロレドは電気料金プロジェクトのみで1,000社を超える実績を持ち、様々な規模、業種、業態の企業を支援しています。異なる電気の使い方の需要家がプロレドのクライアントであることも大きなポイントです。
これまでの支援実績から複数の小売電気事業者と戦略的パートナーとしての信頼関係を活用し、クライアントの個別ニーズや状況を考慮した協議を通じて、自社での取組みよりさらに一段踏み込んだ価格水準を目指した協議を実施します。これは、プロレド・パートナーズがこれまでのプロジェクトで築いた小売電気事業者との信頼関係があるからこそ可能となるものです。
(4)削減スキーム選定、契約締結
選定した小売電気事業者の見積結果から、当社で削減試算と各社比較を行い、拠点ごと/エリアごとに切替先となる小売電気事業者を選択いただきます。サプライヤーへの提案依頼や価格交渉、削減試算を当社にお任せいただくことで、クライアントの業務負担を最小限に留めます。
また、クライアントと小売電気事業者の関係性、経緯や過去の取組み実績を考慮して、協議の進め方、サプライヤー選定を慎重に行うため、トラブル等に発展することなく、非常に高い顧客満足度を獲得しております。
コスト削減事例

(1)ホテル業A社のコスト削減事例
クライアント業種 | ホテル業 |
企業規模(売上高) | 300億円以上 |
対象 | 全国数百拠点における電気料金のコスト削減 |
クライアントが 直面していた課題 | 全国にある数百拠点において、各エリアでどの新電力サプライヤーが価格優位性を有しているか分からない |
プロレドによる 課題解決アプローチ | プロレド独自のデータベースを基に、電力エリアごとに価格優位性のあるサプライヤーを選定。現行と同一の契約プランに加えて、異なる契約プランの提案も協議に含めることでコスト削減の最大化に臨む |
実施後の効果 | 電力エリアごとに削減額が最大化させる契約プランへ切替えることで年間13.4%のコスト削減を実現 |
(2)製造業D社のコスト削減事例
クライアント業種 | 製造業 |
企業規模(売上高) | 400億円以上 |
対象 | 今後の脱炭素への取り組み過程における、電気料金のコスト削減 |
クライアントが 直面していた課題 | 太陽光自家発電の導入による電力使用量の変化や再エネメニューへの対応が必要となる中、新電力サプライヤーの優位性やコスト削減での最低なアプローチがわからない |
プロレドによる 課題解決アプローチ | 標準メニューに加え、再エネメニューを準備している新電力会社に対し、再エネメニューへの切替えも視野に入れた標準プランの提案を取得し、サプライヤー変更を極力回避できるように協議に臨む |
実施後の効果 | クライアントと関係性が強い新電力会社にはクライアントが前面に出て交渉する「バックコンコンサルティング」、新規先にはプロレドが直接協議を行い、エリアごとにベストな組み合わせで、年間7.0%のコスト削減を実現 |
(3)飲食業E社のコスト削減事例
クライアント業種 | 飲食業 |
企業規模(売上高) | 30億円以上 |
対象 | 電気料金のコスト削減における人的リソースの不足 |
クライアントが 直面していた課題 | 2026年度以降の現行サプライヤーの電気料金値上げに対し、電気料金のコスト削減を執り行う人的リソースが不足により、どの新電力会社が自社に最適なのか分からない |
プロレドによる 課題解決アプローチ | プロレドにてクライアントに最適な新電力会社を複数社提示。拠点数が多岐に渡る事業特性を考慮し、コスト削減が最大化されるアプローチで臨む |
実施後の効果 | 最大限の削減となるよう複数の新電力会社を採用し、年間6.5%のコスト削減を実現 |
コストマネジメントのお悩みを解決したい方へ

プロレド・パートナーズでは、コストマネジメントのコンサルティングを承ります。 自社の現状把握や、実行支援をご検討される際にはお気軽にご相談ください。