エレベーター保守点検費のコスト削減

昇降機(エレベーター・エスカレーター)の保守サービスは、複数棟・複数機の一括管理や、保守契約の内容によって料金体系が複雑化する傾向にあります。特に大規模な商業施設やオフィスビルを保有・運営する企業では、その影響が顕著です。

プロレド・パートナーズでは間接費削減に関するコンサルティングサービスを提供しており、このページでは、昇降機保守の業界構造やコスト構造の概要とともに、当社が実施する削減手法の一部をご紹介いたします。

業界・コスト構造

コスト削減を実現するためには、業界構造やコスト構造を把握することが大切です。以下では、昇降機保守の業界構造・コスト構造について解説していきます。

(1)昇降機保守の業界構造

建物の多機能化や長寿命化に伴い、エレベーターやエスカレーターなどの昇降機設備は、建物の利便性・安全性を支えるインフラとして重要度を増しています。近年では、IoTやクラウド技術を活用した保守手法の進化により、業界構造にも変化が見られます。従来は設備メーカーによるフルメンテナンス契約が主流でしたが、近年は独立系保守会社の台頭や、保守形態の柔軟化が進み、コスト見直しの余地が広がっています。

(2)昇降機保守会社の比較

昇降機保守会社は、昇降機を開発・製造しているメーカー系保守会社と、保守点検のみを実施している独立系保守会社に大別されます。

メーカー系保守会社のうち、五大メーカー(三菱電機ビルソリューションズ、日立ビルシステム、東芝エレベータ、フジテック、日本オーチス・エレベータ)にて製造された昇降機が、国内設置機の約8割を占めています。独立系保守会社は、それらメーカーの昇降機を横断的に点検することができ、全国展開している企業から地場企業まで、大小数百社に及びます。

メーカー系保守会社と独立系保守会社は下記のような特徴の差異があり、それぞれを比較検討した上で最適な保守会社を検討していく必要があります。

<メーカー系保守と独立系保守のちがい>

項目メーカー系保守独立系保守
技術力◎ 自社製品に対する技術力・熟練度が高い○ 企業によってはメーカー出身の技術者も多く在籍
対応範囲△ 自社製品のみ対応可能◎ 複数メーカーに対応可能なため、混在物件を一手に引き受け可能
部品供給◎ 純正規部品を安定供給可能△ メーカーの純正規部品がメインであるが一部自社製品で代替の場合もある
価格△ 開発費や設置工事費が保守費用に反映され高めとなりやすい◎ 昇降機の開発費用がないため、コスト競争力が高い
信頼性
安心感
◎ ブランド信頼性があり、建物利用者への説明もしやすい○ 実績豊富な会社も増えているが、信頼感に個人差あり
最新技術
対応
◎ リモート監視や自動診断などを標準搭載○ リモート監視など一部は独自技術あり
報告書
管理
○ 報告書は紙ベース中心、近年は徐々にWeb化しつつある◎ クラウドポータルで保守履歴・進捗が一元管理されやすい

昇降機保守のコスト構造

次に、昇降機保守のコスト構造についてご説明します。昇降機保守の料金は以下の様に、機種毎に価格を構成する要素が多くあります。更に人件費や交換部品の費用は時勢に大きく左右されることもあり、適正価格の見極めは容易ではありません。

<昇降機保守コストの要因>

コスト要因項目内容・具体例備考・補足
契約形態フルメンテナンス(FM)、POG契約、定期点検契約などFM契約は一括保証で高額傾向、POGは部品費別で低コスト可だがリスク分担あり
メーカー or
独立系保守会社
保守実施会社の種類により費用水準が異なるメーカー系は価格が高め、独立系は柔軟かつ低価格傾向
設備の
種類・仕様
高層用、非常用、荷物用など特殊仕様の有無高機能・特注機器ほど部品費・作業負担が増しやすい
機器の
設置年数・型式
老朽化度合いや型式(旧型制御盤など)古い設備ほどトラブル頻度・部品調達コストが高くなる
年間点検回数法定(年1回)に加えて契約に基づく月次・隔月点検回数が増えると人件費増。FM契約では点検頻度が高く設定されることが多い
緊急対応体制
の有無
24時間365日対応、待機者の配置、出動エリア緊急対応付き契約は保守費が高めになるが、ビルの用途によっては必須
IoT・クラウド
管理導入
遠隔監視、保守履歴のデジタル管理、予兆保全システムなど導入初期費用あり。長期的には人件費・障害コスト削減に寄与
報告書・管理業務
の仕様
Web報告書化、履歴管理の自動化、ポータル対応など管理コストの削減に寄与。独立系業者では無償対応も多い
契約期間・
一括契約範囲
年単位・複数年契約、複数棟まとめ契約、全社横断契約長期契約・ボリューム契約は値引き要因になることが多い

プロジェクト・アプローチ

プロレド・パートナーズはコスト削減に強みを持つコンサルティングファームです。ここでは、プロレドが手掛ける昇降機保守適正化の特徴をご紹介します。下記4つのステップでプロジェクトを進行します。

アプローチは、①バックコンサル手法と、②プロレドが前面に立って協議を行う手法の2パターンがございます。②の手法では、1番目と4番目のステップにてご協力いただくのみで、クライアントの負担が最小限となるよう進めていきます。現状把握から契約締結まで、プロレドの専門コンサルタントが一貫してコスト削減に関わる業務を遂行します。

(1)現状把握・データ分析

コスト見直しプロジェクトでは、日本全国のあらゆる企業の設置機種を分析しており、その数は10,000基以上に及びます。各社が保有する様々な仕様プランの中から、クライアントにとって最適なプランをご提案することが可能です。

(2)削減アプローチ策定

市況調査や料金データ分析、最新技術などのトレンド情報を基に、各基の適正価格や最適なプランを策定してまいります。また、独立系保守会社への切り替え支援の実績も多数ありますので、全国の独立系保守会社から、エリアや業種に応じた最適な事業者を選定可能です。

(3)価格適正化

プロレドは昇降機保守コストに関するプロジェクトで国内最大規模の実績を持ち、あらゆる業種・業態・企業規模のクライアントの経費見直しを行っております。現行仕様での単価削減は勿論のこと、仕様変更や保守会社の切り替えなど価格面以外にもクライアントのメリットに最大限に寄与するべく網羅的なご提案が可能です。

(4)新体制策定

コスト見直しにおけるクライアントの業務負荷の最小化に努めております。独立系保守会社への新規見積依頼や価格協議等の業務以外の工数を、専門チームへアウトソーシングすることで担当者の業務負荷の軽減が可能となります。バックコンサルの場合でも、クライアントが安心して協議を行えるよう徹底してサポートいたします。事前の情報収集や進め方のご相談等で一定のお時間をいただきますが、自社で進めるよりも遥かに工数を軽減できた上で、コスト削減メリットを享受いただけます。

コスト削減事例

(1)ホテル業のコスト削減事例

【業界】宿泊・ホテル業
【企業規模】80億円以上
【課題】巨額なエレベーター・エスカレータ保守点検費用

コストマネジメントのお悩みを解決したい方へ

プロレド・パートナーズでは、コストマネジメントのコンサルティングを承ります。 自社の現状把握や、実行支援をご検討される際にはお気軽にご相談ください。

 
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