清掃費のコスト削減

プロレド・パートナーズでは、清掃業務におけるコストと品質の最適なバランスを実現するための支援を行っています。清掃の現場では、契約に記載された仕様と実際の運用にずれがあったり、費用の算出根拠が曖昧だったりするケースが少なくありません。加えて、見積方式が多様なことから、コストの妥当性を判断するのが難しい場面も多く見受けられます。こうした課題に対し、現地調査や実態の整理を通じて契約内容や清掃仕様を見直し、業務内容に見合った適正なコスト構造の構築をご支援しています。

業界・コスト構造

清掃費用は、見積方式や日常・定期の運用条件が絡みあう複層的なコスト構造で形成されています。ここでは、清掃費用の主要構成要素を分解整理し、改善の糸口を示します。

<清掃費のコスト構造>

項目説明
直接人件費作業人数 × 時間単価 × 稼働時間現場で稼働する清掃スタッフの配置人数やシフト、作業回数に比例して増減する最も大きなコスト
資機材・
消耗品費
洗剤・ワックス、モップ・パッド、バキュームやポリッシャーの部材交換・修理 等清掃に使用する消耗品や機材の購入・補充・保守に要する費用
管理費作業計画書・報告書作成、求人広告・研修費、制服・交通費 等現場管理工数や本社バックオフィス業務、採用・教育、日常的な諸経費までを含む管理関連コスト
本社間接費
・利益等
サプライヤー利益、値引き調整枠 等業者の適正利益に加え、不測事態や契約外変動を吸収するためのバッファとして設定される費用

<見積方式の違いとその影響>

見積方式概要特徴採用されることの多い施設例
時間単価
方式
1時間あたりの単価に基づき、作業時間総数で算出業務内容や頻度が変化しやすい現場に柔軟に対応可能商業施設、医療機関、24時間稼働の施設
平米単価
方式
1㎡あたりの単価を設定し、清掃面積×単価で算出面積に応じて概算しやすく、標準化・比較がしやすいオフィスビル、教育施設、集合住宅等

<運用条件が与える影響>

項目説明
日常清掃と定期清掃の区分毎日実施される作業(日常)と週・月単位で行う作業(定期)により仕様・コストが異なる
週あたりの清掃日数
(土日祝対応の有無)
平日対応のみか、土日祝も含めるかにより清掃頻度と人件費が変動
1日あたりの清掃回数
(1日当たり1回or2回など)
午前・午後に分かれる場合や複数回対応が必要な施設では、作業工数と人員配置が増加しやすい

これらの運用条件が曖昧なまま単価比較を行うと、費用の妥当性を正しく判断できず、誤った評価につながる恐れがあります。プロレドでは、契約書や仕様書などの書面情報に加え、現地調査と作業分析を通じて仕様・頻度・範囲を可視化。整理された実態に基づき、最適な契約設計と運用体制の構築を支援します。さらに、これらの構造要素を総合的に分析することで、契約形態や清掃内容を精緻に最適化し、費用対効果の最大化を図ります。

プロジェクトアプローチ

プロレド・パートナーズでは、清掃費用の最適化に向けて、現場実態の可視化から契約の再構築、導入後の定着支援に至るまで、段階的かつ実行性の高いプロジェクトアプローチを提供しています。

(1) 現状把握・データ分析

契約書・仕様書・日報・シフト表などの契約関連資料を精査するとともに、現地調査・作業同行や関係者ヒアリング/アンケートを実施。仕様・作業時間・稼働体制・費用構造を立体的に可視化し、「契約内容と実運用の乖離」や「稼働実績と人員配置の不整合」を明らかにします。

(2)削減アプローチ策定

分析結果とベンチマークデータを踏まえ、施設の利用実態に応じた体制案を複数設計。清掃頻度・範囲の適正化、過剰清掃の是正、夜間対応見直しなど、コスト削減と品質維持を両立する構成案を提示し、定量・定性の根拠に基づいて、お客様の実情に即した最適なアプローチを提案します。

<清掃員別作業内容の再構築>

<店舗別清掃時間と来店客数の散布図>

(3)適正化協議

提示した清掃適正化案を基に、サプライヤーと複数回の協議を重ねます。焦点を「単価」ではなく「仕様」に置き、業務量・頻度・対応範囲を具体化しながら目標削減額の達成までブラッシュアップ。双方が納得できる持続的な契約条件へ再設計します。

(4)新体制策定

合意形成された内容をもとに、新たな清掃仕様・作業範囲・稼働体制を具体化・明文化し、最適な運用設計を行います。そのうえで、見積書・契約書・仕様書への反映までを一貫して支援し、契約締結の完了まで伴走します。スムーズな導入に向けては、契約締結前の段階から、運用マニュアルの整備や従業員向け説明会の実施など、現場準備も支援し、新体制の円滑な現場定着を支援いたします。

コスト削減事例

(1)アミューズメント業のコスト削減事例

【業界】サービス業(遊技場の運営)
【企業規模】1,000億円以上
【課題】清掃費

参考

近年の清掃業界では、人件費上昇や人手不足といった構造的な課題が続いています。特に人件費については、最低賃金の引き上げや人材獲得競争の影響を受け、清掃員の時間単価がこの10年間で3〜4割程度上昇しています。

一方、有効求人倍率は2020年前後の新型コロナウイルス感染拡大の影響で一時的に低下しましたが、その後は上昇基調が続いています。コロナ以前と比較すると倍率は低い水準にあり、相対的には人員に一定の余裕がある状況です。そのため、清掃会社としても施設を跨いだ人員の再配置がしやすく、清掃体制の見直しが行いやすい市場環境にあるといえます。

<清掃員の時間単価推移(2016年~2025年)>

こうした市場環境を正しく捉え、現場の仕様や人員体制を見直すことで、清掃品質を維持しながらもコストの最適化を図ることが可能となります。プロレドでは、制度・市場変化と施設特性の両面を踏まえた最適設計を通じて、持続可能な清掃体制の構築を支援しています。

コストマネジメントのお悩みを解決したい方へ

プロレド・パートナーズでは、コストマネジメントのコンサルティングを承ります。 自社の現状把握や、実行支援をご検討される際にはお気軽にご相談ください。

 
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