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間接材コストを削減する8つのステップ STEP.3

STEP.1と2では間接材のコスト最適化において、組織/人事上で障害となりうる要素とその対処方法の一部をご紹介しました。現場担当者への動機づけといった人事的な側面もあれば、会社の組織上の側面は経営層自らが率先して事前に解消することが欠かせません。

今回から、直接的にどうやって間接材コストを最適化していくのかを紹介します。まずは仕様やサービスレベルが自社にとって過剰や不足が無いかを確認していきましょう。

STEP.3 仕様やサービスレベルの最適化

単価をどう引き下げるかに着手する前に、そもそも現在の購買や発注の使用内容やサービスレベルが、現在の事業状況や現場のニーズとマッチしているのかを精査しましょう。市場や事業環境の変化に伴って、現場のニーズと大きくずれている可能性があります。2020年3月以降はコロナ禍によりこれまでの事業の在り方や働き方が大きく変化したため、半年前~1年前の契約条件でさえゼロベースで見直す必要があります。

仕様やサービスレベルの最適化のための4つのアプローチ

見直しを検討する視点は下記の4つです。

  1. 過剰品質の見直し
  2. 過剰頻度の見直し
  3. 無駄(必要なく廃止すべきもの)をなくす
  4. 最新のIT ツールや新サービスによる代替

1つずつ見ていきましょう。

1.過剰品質の見直し

商品やサービスが「過剰品質(オーバースペック)」になっているものを必要最低限のレベルに最適化します。「複合機」や「スマートフォン」に関して現場のニーズやサービスレベルを個別に精査していくと、さらなる見直しが可能です。例えば複合機では1台ごとに用途や月間の使用枚数が異なるため、必ずしも同じ最新機種が必要というわけではなく、場合によっては台数自体も見直しが必要です。

「複合機」過剰品質あるある

  • 契約満了になった複合機を一律で最新機種へ入れ替え
  • 今までと同じ場所に同じ台数を発注して設置
  • 必要以上に「カラー印刷」や「片面印刷」の比率が高い
  • 社内会議で人数分の資料を出力している

スマートフォンに関しても「従業員全員に最新のiPhoneが配布されている」といった目に付きやすいものだけではなく、営業担当者のように通話中心で発信回数が非常に多い方から、社内業務が中心で通話は受けるのみでデータ通信が多いという担当者もいるため、契約プランを細かく見直すことが必要です。

2.過剰頻度の見直し

品質レベルは適正だが、頻度が過剰というパターンを見ていきます。多すぎる頻度を適正な水準まで低減するだけですが、意外と現場担当者はその改善余地に気づいていないことが多いのです。例えばオフィスの清掃は毎日実施するのが当たり前になり、過剰になっている場合があります。

「清掃」過剰頻度あるある

  • 日常清掃は場所を限らず(フロア、廊下、階段、トイレ、外構など)全て毎日実施
  • 定期清掃の床洗浄や窓ガラス戦場は外部業者の指定頻度で実施
  • 同じ場所でも清掃する方によってやり方がバラバラ

同業他社ではどういった水準で運用しているのかを知らなければ、現状に対して課題を認識できません。部外者または外部の目線からゼロベースで「本当にこれって毎日する必要がありますか?」といった課題認識を投げかけることが有効です。まずは最低限の必要レベルを客観的に見極めることが大切です。

3.無駄(必要なく廃止すべきもの)をなくす

さらに一歩踏み込んで、そもそも購入や発注自体を止め、支払金額をゼロに出来るものが無いのかを検証しましょう。なにかしら購入・発注するメリットがあるものだと思いますが、「それが無かった場合の代替案はあるか」「事業運営上、絶対に必要か」という不可欠性の視点で精査してみましょう。

無駄な支出は、意外と目立たない少額の月額定額払いのもの(雑誌の定期購読など)に多数潜んでいます。契約が自動更新になっているようなWEBサービスも要注意です。徹底的に可視化して精査しましょう。

「ソフトウェアライセンス」の無駄あるある

  • 全社で実際に現場が必要としているライセンス数を把握できていない
  • PCへ一律インストールする数をベースにライセンス数を管理している
  • 包括ライセンス契約を締結している
主要なソフトウェアライセンス(本書p108)

4.最新のITツールや新サービスによる代替

従来のサービスや商品を代替する新サービスや最新のITツールの活用を検討しましょう。新サービスやITツールは「より早く」「より楽に」「より安く」などのメリットがあるため代替することで大きなコスト削減の可能性があります。

例えばPOSレジでは、納入時にそのメーカーからフルメンテナンスサービスを受けることが前提となっています。一度納品されると競合他社との競争環境がない分、保守サービスの料金は割高に設定される傾向にあります。そこで、保守メンテナンスが発生するごとに費用を支払うスポット契約にすることも選択肢の一つです。フルメンテナンス契約と比較してどのていどの金銭的メリットがあるのかを検討しましょう。

最新のITツールやロボットは、外部企業への支払いを低減させるだけではなく、社内の人件費や好悪数の大幅削減にも寄与します。昨今では清掃作業のための法人向けの自動清掃ロボットサービスも出てきています。清掃個所によってはロボットを活用することで大幅に清掃コストを引き下げられる可能性もあります。

まとめ

仕様やサービスレベルの最適化という内容で直接的にどう最適化していくのかをご紹介しました。「自社にとって何がどこまで必要か」「絶対にないとダメなのか」という視点からすでに当たり前になってしまっていることを見直すことが必要です。ぜひ、今回ご紹介した4つの視点で見直してみてください。

このコラムはプロレド・パートナーズ遠藤昌矢著『コスト削減の最強戦略 企業競争力を高める間接材コストマネジメント』(東洋経済新報社)より一部を抜粋・要約しています。さらに詳しい内容を知りたい方は是非書籍をご覧ください。成果報酬型コンサルティングサービスにて企業のコスト削減を支援してきた弊社のノウハウを余すことなくご紹介させていただいております。

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