書籍

間接材コストを削減する8つのステップ STEP.4

前回は間接材コストの具体的な手法として、STEP.3 仕様やサービスレベルの最適化をご説明しました。

今回は購買体制の見直しをしてボリュームディスカウント効果を最大化する4つのアプローチについて紹介します。事前にどういう購買体制の整理が必要かを確認していきます。

STEP.4 購買体制の見直し

購買/発注の総取扱金額の大小は単価や料率に大きく影響します。発注/調達単価の最適化に着手する前に、現時点での自社内の購買体制を再整理し、集中購買、または一元管理することで、大きな年間取引規模をベースに条件交渉できる環境を整えます。

ボリュームディスカウント効果を最大化する4つのアプローチ

 ボリュームディスカウント効果を最大化する方法としては、4つのアプローチが考えられます。

アプローチ① 全社での取扱分を集約して一括契約/一括支払い

アプローチ② 別契約&別支払いでも条件交渉のみ一元化

アプローチ③ フランチャイズ店舗分を集約

アプローチ④ 他社との協業や共同購買で限界突破

ではそれぞれのアプローチを詳しく見ていきましょう。

アプローチ① 全社での取扱分を集約して一括契約/一括支払い

自社内の購買/発注を取りまとめて、大きな年間取引金額をベースに条件交渉します。原材料や直接材に関しては、本社の調達部や購買部などの専門部署が集中購買/発注を実施済みという企業が多い一方で、間接材全体を集約している企業は多くありませんので集中購買によってよりよい条件が取得できるか確認しましょう。ただし、エリア/地域別で最適な取引先を探した方がより安価な条件を取得できる費目もあるので注意が必要です。

集中購買/発注に適した費目を見つけるためには、下記のような条件にあった費目を探すのが良いでしょう。

条件1.取引先候補企業がどこも大手で全国エリアをカバーしている

条件2.どの企業であっても製品やサービスレベルにバラツキが少ない

全国で統一するパターンが最も効果的といえますが、費目の特性によってエリアごとに取引先を変える選択や価格/料率の基準を設定するなどして、最も好条件を引き出せるようにすることが大切です。

アプローチ② 別契約&別支払いでも条件交渉のみ一元化

アプローチ①のような契約と支払いを一括管理していない場合でも同等の取引条件を引き出すアプローチです。以下のようなケースでは、同じ企業グループ内に属していたとしても、別事業会社や別ブランドは基本的に別会社の組織運営となっているため、契約締結や支払に関しても個別企業ごとで完結する必要があります。

  • M&Aにより多くの別ブランドや別事業会社が同じグループ企業に加わった
  • 本社以外に、子会社/関連会社が多数存在する
  • ホールディングスの下に、多数の事業会社やブランドがぶら下がっている

全てを集中購買/発注にすることは困難ですが、このアプローチでは企業間の契約や支払は個別の企業別で取り交わすものの、その基準となる契約条件は企業グループ全体の年間取扱金額をベースにサプライヤー企業と条件交渉することで十分なボリュームディスカウント効果が得られます。

ただし、複数の企業をまたがるプロジェクトになるため、経営陣の積極的かつ主体的なコミットメントが不可欠です。グループ全体で取り組めるよう経営陣の強い覚悟の元、“旗振り役”にプロジェクトの権限を与える必要があるでしょう。

アプローチ③ フランチャイズ店舗分を集約

小売や飲食店のように店舗展開のほとんどがFC展開している場合でも、FC店舗分を取り込んだボリュームディスカウント効果を実現できる可能性があります。本社側で契約を取りまとめ、サプライヤー企業との条件交渉に臨みましょう。

また、FC店舗がそれぞれ個別に取引先企業と直接契約&支払いをしている場合、もう一段階踏み込んでコストを削減または利益を創出できる可能性があります。やり方の1つとして、本社側でFC店舗と外部企業間の契約をまとめ、条件交渉から支払まで取りまとめる方法、2つ目は契約や支払は現状のまま個別にし、条件交渉のみ本社主導で行うという方法です。どちらの方法も一長一短ありますがどちらも改善メリットがありますので検討してみてはいかがでしょうか。

アプローチ④ 他社との協業や共同購買で限界突破

 自社だけでなく、他社との協業(共同購買や共同発注、共同委託)によって、自社の取引規模以上に大きな取扱金額をベースとしたディスカウント効果や効率化によるコスト低減を実現します。同業他社等との共同購買/発注/委託と言われているものですが、大きく3つに分類されます。

  • 同業他社との共同購買(自社主導)

競合他社と協力できる領域(調達や物流)では共通のオペレーション基盤を構築し、さらなる効率化を実現すると同時に、サプライヤー企業に対する交渉力を高める

  • 共同配送(取引先主導)

サプライヤー企業側のプラットフォーム上に参加し、自社の10倍以上のスケールメリットや効率性を亭受できる可能性がある。卸業者や商社を活用する効果と類似

  • 協同組合への加入(団体への加盟)

購買や発注規模が限定的な地場系の中小企業が協同組合などの団体に加入することで、数桁大きな事業規模レベルの単価や料率水準での取引が可能

他社を巻き込むため、場合によっては競合に情報を開示することもありますので容易な方法ではありませんが、取り組むことで取引先に対し圧倒的に優位に立つことが出来る方法です。実際に多くの企業で取り組まれていますので自社の業界でも取り組めるか検討してみても良いのではないでしょうか。

まとめ

今回は購買体制の見直しについて4つのアプローチを紹介しました。ボリュームディスカウントは購買の単価引き下げにおいて最もオーソドックスな手法です。サプライヤーにとってもある程度のまとまった発注は売上を安定させる意味でも好ましい案件になるため、こちらの協議にも前向きに取り組んでくれるでしょう。

ぜひ、今回ご紹介した4つのアプローチの中で自社にとって最適なアプローチを検討してください。

このコラムはプロレド・パートナーズ遠藤昌矢著『コスト削減の最強戦略 企業競争力を高める間接材コストマネジメント』(東洋経済新報社)より一部を抜粋・要約しています。さらに詳しい内容を知りたい方は是非書籍をご覧ください。成果報酬型コンサルティングサービスにて企業のコスト削減を支援してきた弊社のノウハウを余すことなくご紹介させていただいております。

関連記事

TOP