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間接材コストを削減する8つのステップ STEP.6

今回は、最適な取引先候補の見つけ方をご紹介します。まずは相見積もりの依頼準備から各社の提案評価までの全体プロセスを見ていきましょう。

 相見積もりの依頼内容を確定させる前に、仕様やサービスレベルの最適化(STEP.3)と、自社全体で最大限ボリュームを活かした購買/調達の体制づくり(STEP.4)は十分に精査しておきましょう。まだお読みでない場合はぜひそちらもご覧ください。

STEP.6 最適な取引先候補の見つけ方

現在の取引条件の見直しのために、複数の新規取引先候補となる企業に対して、提案/見積もりを依頼(相見積もり)することは有効な手段です。

相見積もりの依頼準備~各社の提案評価までの全体プロセス

 見積もり依頼の準備から、最終的な取引先の決定までは下記の6つの手順で進めます。見積もりを依頼する際に重要となるポイントが2つあります。1つ目は見積もり依頼書に記載されている仕様や条件、RFP(Request for Proposal)を自社にとって最適化すること。2つ目は取引先企業に対してただ要求を突き付けるだけでなく、今よりも価格競争力のある提案が出しやすくなるような譲歩案を用意することです。特に2つ目は忘れがちなポイントなので注意しましょう。

1.見積もり依頼書の作成

  • 仕様やサービスレベルの詳細まで明記
  • 見積もりの回答フォーマットは発注側で指定

2.見積もり依頼先のリサーチと選定

  • 大手だけでなく中堅企業や地場企業も視野に

3.見積もり依頼から回収までのスケジュール設定

  • 既存取引先と新規取引先候補は同じタイミングで依頼し回収
  • ゼロ回答となりそうな企業には、事前に理由を確認し、譲歩可能な条件を検討

4.各社からの見積もり回収

  • 各社から質疑を受け付け、その回答や変更点は全社へフィードバック
  • 回答期限まではこまめに検討の進捗状況を確認
  • 値下げ交渉は原則最大2回まで
  • 書面の申入書は相手企業の決裁者まで届く

5.見積もり内容の評価と最終選定

  • 最安値の見積もりは、その根拠や実績を徹底確認

6.不採用となった企業へ丁寧なフィードバック

  • 不採用になったとしても放置しない

上記の「1.見積もり依頼書の作成」についてさらに詳細にご説明します。

1.見積もり依頼書の作成

新規取引先候補となる企業へ、何がどのレベルまで必要なのかを正確に伝えるために見積もり依頼書を作成します。例えば電気料金やクレジットカード手数料などは過去12か月の実績データを共有するだけで十分と言えますが、複合機や通信費に関しては、単に実績を伝えるだけでは不十分であり、自社で現状の利用実態を把握/分析し、今後の方向性を定めた上で、改めてどの機能やスペックが必要か、機器や用途ごとの料金プランについての要望を伝える必要があります。

見積もり依頼書において基本的に必要となる項目は下記の通りです。

①見積もり依頼の案内

  • 見積もりの依頼内容(概要)
  • 依頼主の企業名と住所
  • 窓口担当者の肩書、氏名、連絡先(メール/電話)
  • 見積もりの条件及び対象詳細
  • 見積もりの提出方法
  • 見積もりに関する質疑・確認方法
  • 見積もりスケジュール

 ✓見積もり依頼日
 ✓質疑等受付締め日
 ✓質疑等回答予定日
 ✓見積提出期日

  • 参考資料一覧

②詳細な仕様書/条件一覧

③過去1年間(12か月)分の実績データ

④サービス・スケジュール、オペレーション一覧

⑤見積もり入力フォーマット

⑥質疑・確認入力フォーマット

複数社から見積もりを回収する際に、各社の見積もりや記載されている内容や内訳が異なると、横比較して評価することが難しくなります。「総額が安くなっていればよい」という割り切り方もありますが、型番が決まっているような汎用品以外はリスクを伴います。支払総額の比較だけでは想定していた商品仕様やサービス内容と微妙に食い違っていることもあるため、必ず詳細な仕様や価格の内訳の確認が必要です。見積もり回収後の評価や分析をするためにも、事前に発注側から見積もりの回答フォーマットを指定することをお勧めします。またコストの内訳についても、出来る限り分解して提示してもらいましょう。

上記の手順によって自社にとって最適な取引条件を叶える取引先を見つけます。ただ、複数社から魅力的な新規提案を入手しても、最終的に既存取引先企業に内容や条件を見直してもらった結果、取引を継続するというパターンが圧倒的に多いのが実情です。取引先の変更には、現状の既存取引先の条件と比較して、余分にかかるスイッチングコストを含めて、相当大きなメリットが必要です。

コスト削減を実現するにあたり、取引先の変更は前提条件ではありません。既存取引先に条件を最適化してもらうことがベストです。しかし、取引継続を前提とした状態は様々な弊害を引き起こす可能性があるので注意が必要です。取引先とは健全な競争環境を構築することが大切であることを忘れないようにしましょう。

まとめ

今回は最適な取引先候補の見つけ方についてのプロセスを紹介しました。単純に相見積もりを取ると言っても様々な条件があるため、自社にとって最適なサプライヤーを見つけ、最適な価格を提示してもらうにはそれなりの手順が必要なのです。ぜひ、今回ご紹介したプロセスに沿って自社にとって最適なサプライヤーを見つけましょう。

このコラムはプロレド・パートナーズ遠藤昌矢著『コスト削減の最強戦略 企業競争力を高める間接材コストマネジメント』(東洋経済新報社)より一部を抜粋・要約しています。さらに詳しい内容を知りたい方は是非書籍をご覧ください。成果報酬型コンサルティングサービスにて企業のコスト削減を支援してきた弊社のノウハウを余すことなくご紹介させていただいております。

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