AIを業務に活用することで、業務効率化や生産性向上、コスト削減を図ることができます。近年は、働き方改革やDXの推進、人材不足への対応といった背景から、AIの導入が進んでおり、これから導入を検討している企業も多いでしょう。
この記事では、AI活用で業務効率化が進む背景、AIを活用するメリット、AIで効率化が可能な業務、AI活用における注意点について解説します。
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AI活用で業務効率化が進む背景

近年、AI活用による業務効率化が進む主な背景には、次のようなことが挙げられます。
- 働き方改革への対応
- DX化の推進
- 人手不足の対応
それぞれ詳しく解説します。
働き方改革への対応
近年、日本では急速に働き方改革が進められており、長時間労働の是正や労働生産性の向上が求められるようになっています。これにより、企業は従来の業務プロセスを見直し、業務の効率化を図る必要に迫られています。
こういった働き方改革を実現する際に発生する課題の解決方法の一つとして、AIが注目されています。
AIの活用によって、定型業務の自動化やデータ処理の迅速化が可能になり、既存業務にかかる従業員の人件費が減るほか、従業員がよりクリエイティブな業務に集中できるようになります。
これにより、従業員が自身に合った働き方を選択しやすくなり、ワークライフバランスを実現しやすくなるほか、やりがいが高くモチベーションを維持しやすい業務に従事できるようになります。
DX化の推進
AI活用が進む背景には、デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)の推進も関係しています。
DXは、企業がデジタル技術を活用して業務を革新するプロセスのことです。DXにはいくつかの重要な観点がありますが、AIもその一つの中心的な技術として位置づけられています。実際に、DX推進の取り組みの一貫として業務へのAI活用を行うケースも多く、業務の効率化や新たなビジネスモデルの創出への貢献が期待されています。
特に、データ分析や予測においてAIが活用されるケースが多く、効果を実感する企業が多いようです。
DXについて詳しくは「DX推進でコスト削減を実現するためには?DXの重要性や業種別具体例を詳しく解説」も参考にしてください。
人手不足の対応
日本では、人口減少と少子高齢化に伴う労働力不足が深刻な問題となっています。企業は限られた人材で業務を遂行する必要に迫られており、人手不足が深刻で事業が継続できないというケースも多く報告されています。
こうした状況下で、人材不足を解決する手段としてAIの導入が注目されています。
AIによって、データ入力や分析、顧客対応などの業務を自動化することで、人手不足を補うことができ、業務の効率化が図れます。
例えば、旧来多くの人手を必要としていた製造業の製造ラインでは、AIを搭載したロボットが組み立てや検査を行い、人手を補完する事例もあります。
AIを活用するメリット

AI活用が進む背景についての説明の中でも触れましたが、企業がAIを活用することでさまざまなメリットが得られます。
ここでは主なメリットとされる次の3つについて解説します。
- 業務効率化
- 生産性向上
- コスト削減
業務効率化
AI活用によって効率化を図れるとされる業務は多数あります。AIは特に、定型的な業務の自動化に向いているとされ、これまで人力で行っていた場合は丸々AIに代替させられるケースもあり、業務効率化に大きく貢献する可能性があります。
具体的な業務としては、データ入力・処理、文書作成などの反復的な作業が挙げられ、これらをAIに任せることで、従業員はより価値の高い業務に集中できるようになります。
人の手で作業するよりも業務のスピードが向上する可能性が高く、人的なミスも減少します。
生産性向上
AIの導入は企業の生産性が向上にもつながります。先の業務効率化の説明でも触れたように、AIの導入によって業務にかかる時間が短縮され、従業員がより生産性の高い業務に従事できるようになります。企業全体にこうした体制が定着すれば、短期間で高い価値を創出する組織への成長が期待できます。
また、AIは膨大なデータを迅速に処理・分析する能力に長けているので、これを経営判断などに役立てて、迅速に戦略的意思決定を行うこともできます。
コスト削減
AIを活用することで企業のコスト削減も実現できます。
AIの導入に初期コストがかかる可能性はありますが、長期的には人件費や教育コストを削減できる可能性があることに加え、人的ミスによる手戻りや再作業のリスクを減らすことができます。
AIであれば、24時間稼働で業務に対応させるといった使い方も可能なのでリソースを最適化でき、全体コストの削減につながる効果も期待できます。
AIで効率化が可能な業務

AIはさまざまな業務に導入されていますが、ここでは代表的なAI導入例を解説します。
1. データ入力・処理業務
データ入力・処理業務はAIが得意とする分野といわれています。
例えば、請求書や申請書、顧客情報などの入力作業をAIで自動化するケースがあります。
光学文字認識(OCR)の技術と組み合わせることで、紙媒体からのデータ抽出も自動化することができます。
2. 文書作成・文章要約・校正業務
AIの自然言語処理能力を活用することで、報告書やメールなどの文書作成支援、長文の要約、誤字脱字の校正が可能になります。
過去の社内資料をもとに新しいプレゼンテーション資料を作成するといった活用法もあります。
3. 情報検索・FAQ対応業務
AIチャットボットを導入することで、顧客からの問い合わせに自動で対応することができます。
社内データベースからの情報検索や、お客様からの問い合わせに対するFAQ対応などをAIが行うことで、情報の分類と回答の提示の両方が自動化されます。
従業員の負荷を軽減できるほか、24時間対応を可能にできるなどのメリットもあります。
4. 画像・映像の認識・分類業務
AIは画像認識や映像分析にも優れており、製造現場での不良品検出や監視カメラ映像の解析などに活用されています。
人の目では見落としやすい微細な違いも認識できるため、品質管理の精度が大きく向上します。
5. データ集計・レポート生成業務
AIは大量のデータを収集・分類し、グラフや報告書として自動的に出力することが可能です。
例えば、営業成績の可視化やマーケティングレポート生成を自動で行うなど、人力で作成する場合よりもデータ集計・レポート生成にかかる工数を大幅に減らすことができます。また、AIによってデータ集計・レポート生成が自動かつ迅速に行われることで、経営に役立つ指標を素早く把握できるようになり、経営の意思決定も迅速化できます。
6. 需要予測、分析・意思決定支援業務
AIを、過去の販売データや市場動向の分析に活用し、需要の変化を予測させることで、在庫管理や生産計画に役立てることができます。
また、分析結果から意思決定に必要な情報を整理・提示して、経営判断の精度を向上させることも可能です。
7. 問い合わせ・顧客対応業務
カスタマーサポートの分野では、AIチャットボットや音声認識技術を活用することで、問い合わせ対応を自動化させ、顧客満足度の向上とオペレーターの負担軽減を実現できます。AIが過去の対応履歴から最適な回答を導き出すことも可能です。
8. スケジュール調整・通知・ルーティンタスク
会議のスケジュール調整やリマインド通知などのルーティン作業もAIに任せることができます。自動カレンダー連携やタスク進捗管理などにより、管理工数が削減されます。
AI活用における注意点

メリットの多い業務へのAI導入ですが、注意すべきポイントも存在します。
主な注意点を解説しますので参考にしてください。
1. 業務整理不足
AIは定型業務には強いですが、非定型業務には適さない場合があります。
AIを導入する前に、まず業務を棚卸し、業務の標準化を進めることが重要です。
業務プロセスを明確にし、AIが効果的に活用できる部分を特定したうえで導入する必要があります。
2. 目的不明瞭
AI導入の目的が不明確な場合、評価軸がなくなり、導入が形骸化する恐れがあります。KPI(重要業績評価指標)を設定し、目的を明確にすることで、効果的な導入が可能になります。
3. 部分最適化
AIを導入する際に部分的な最適化を図ると、全体の業務フローが非効率になることがあります。
業務フロー全体を見直し、再設計することが重要です。
全体最適を意識した導入を行うことで、業務効率が向上します。
4. AI依存過剰
AIに過度に依存すると、トラブルなど突発的な事態が発生した際の対応が難しくなります。また、AIの判断に頼りすぎることで、従業員の判断力が低下する恐れがあります。
あらかじめ、人とAIの役割分担を設計して明確にしておき、適切なバランスを保つことが重要です。
5. 期待値の誤差
AI導入に対する期待値が高すぎると、成果が出なかった場合に現場が反発することがあります。
まずはスモールスタートで実施し、徐々に浸透させることで、現場の理解を得ることが重要です。
初期の成功体験を積むことで、AI導入への信頼を高めることができます。
まとめ
AIの活用は、業務効率化・生産性向上・コスト削減といったメリットをもたらし、結果として、働き方改革の実現や人材不足といった社会的課題への対応にも大きく貢献します。一方で、導入にあたっては業務の整理や目的の明確化、組織全体での最適化を意識することが欠かせません。
AIは、導入すれば必ず効果が出るというものでなく、適切に使いこなすことで真価を発揮するツールといえます。AI技術を上手に取り入れて業務効率化と企業全体の成長を目指しましょう。
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