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間接材コストを削減する8つのステップ STEP.8

ついに最後のSTEPとなりました。STEP.8は契約書についてです。

今までにご紹介してきたSTEPにより、最適な仕様やサービスレベル、及び適正価格で契約できたとしても、契約書の失敗によって、享受したコストメリットがすべて吹き飛ぶようなリスクや追加支払いが発生したという事態は珍しくありません。契約書をチェックする際に特に注意すべきポイントをご紹介します。

STEP.8 契約書のチェックポイント

取引先企業との取引条件の全体を捉える場合、商品やサービス自体の価格や仕様がすべてではありません。実際に取引先となるサプライヤー企業と正式に契約書や発注書を交わす際には、取引上の制約条件や将来的に追加で支払いが発生する可能性がある費用の諸条件が記載されています。

契約書のチェックを十分に理解せずに法務部などのチェックに任せてしまっている場合も多いのではないでしょうか。契約書の見るべきポイントはどこにあるのでしょうか。

リスクは自社でマネジメント可能な範囲に留める

事業経営の観点から潜在的に発生しうるすべてのリスクは必ず自社でマネジメント可能な範囲にとどめる必要があります。では具体的に契約書を締結する際に注意すべき4つのポイントをご説明します。

注意①契約期間

●契約期間は短期間が基本

  • 長期契約による割引率が、必ずしもベストではない
  • 長期契約はサプライヤー側に有利な契約条件になっていることも多い
  • 短期契約の更新毎に、他社の提案と比較し競争環境を維持すべき

●長期契約期間中でも条件変更は可能

  • 長期契約中でも、契約条件や価格の見直しは可能
  • 解約は困難でも、適正な条件や単価への見直しは交渉すべき

注意②中途契約と違約金

●違約金の総支払額は事前にチェック

  • 中途解約条項や違約金の条件変更は困難なことが多い
  • 違約金の想定支払額を事前に確認した上で、各社の提案を評価すべき

●契約期間の満期タイミングを揃える

  • 各施設や工場ごとに別契約の場合、満期のタイミングがバラバラだといつまで経っても中途解約の違約金がネックとなり、他社からの包括提案が受けられない

注意③「レンタル⇔リース⇔買取」の選択

●「レンタル⇔リース⇔買取」別の財務シミュレーションは必須

  • 複合機では表面上、本体のレンタル料0円等のプランも多いが、契約期間全体で見たときの総支払金額のシミュレーション比較が必要

●長期利用が前提なら買取がお得

  • 長期で安定した利用が見込めるのであれば、他社による中間マージンが含まれない買取が有利な可能性が高い

注意④原状回復工事

●原状回復工事の条件は契約締結前に交渉すべき

  • 交渉上優位な賃貸契約の締結前に交渉し、好条件を引き出す

●退去予定がなくとも、原状回復に関する見積もりを入手し精査

  • 退去が確定する前から、先行して原状回復工事費用の精査を始める(退去確定後では、スケジュール上時間が無く、十分な検討が出来ない)

その他の契約書における注意事項

「契約期間」「途中解約とその違約金」「損害賠償」に関する条項は、どの契約書においても必ず記載がありますので、見落とさないように注意しましょう。「損害賠償」に関する条項はどの企業でも必ず法務部が詳細にその内容やリスク範囲を精査しているはずです。最悪のケースが発生した場合でも、損害賠償金額が青天井にならないよう最大金額に制限を掛ける内容での締結が必要です。

まとめ

STEP.8契約書のチェックポイントをご紹介しました。契約書のチェックは企業間の取引をする上で避けては通れない道です。しっかりと理解して取り組んでいただければと思います。

さて、コスト削減のアプローチについて8つのSTEPに分けてご説明してきましたが、今回が最後です。すべてのSTEPをご理解いただければ自社でも素晴らしいコスト削減の施策が実行できると思います。ぜひ実践してみてください。

更なる詳細や具体的な事例などを知りたいという方は『コスト削減の最強戦略』(プロレド・パートナーズ遠藤昌也著、東洋経済新報社)をお読みいただければと思います。

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