物流における在庫管理業務にて「SKU」という言葉を見聞きする機会は多くあります。在庫管理にSKUの理解は必須となりますが「SKUの概要が分からない」「業界によってSKUの取り扱いが異なり理解できない」といった悩みを持つ方もいるかもしれません。
今回の記事では、SKUの概要や重要性とともに、業界別のSKUについて解説します。
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SKUとは?
SKUとは「Stock Keeping Unit」の略で、在庫管理や受発注で用いられる最小管理単位のことです。在庫管理や受発注時、アイテムを色や形、製造ロットといった種類より小さい仕様で分類し最小単位として扱います。
SKUは、基本的に「商品識別コード(JANコード)」を基準に設定されます。商品識別コードは、商品についているバーコードに記載されている番号です。商品識別コードは一定の範囲内であればメーカー側が自由に発行できます。メーカー側が設定したSKU別に、商品ごとに別の商品識別コードを割り当て、発行することが可能です。
また、出荷期限や原価管理を目的として社内コードやインストアコードをSKUとして利用することもあります。
なぜSKUを理解する必要があるかSKUは在庫管理や受発注時に必須となる概念です。SKUを理解する重要性について順に解説します。
1.適正在庫管理のため
SKUを設定することで、適正な在庫管理につながります。たとえばコンソメ・のりしお・トマト・チーズの4種類のフレーバーがあり、サイズも50gと110gのあるスナック菓子があるとします。このスナック菓子のSKUは、4つのフレーバー+2つのサイズで8SKUです。8SKUを設定することで、フレーバーやサイズ別に在庫管理ができるようになります。
逆にSKUを設定せず「スナック菓子」とアイテムの種類でのみ在庫管理をしてしまうと、フレーバーやサイズ別で在庫を把握できません。在庫の適正管理や業務の効率化のために、SKUは必須と言えるでしょう。
2.SKUベースで物流が動くため
SKUは在庫管理だけでなく、アイテムの受発注でも必須の単位です。SKUによりフレーバー別、サイズ別での売上が把握できるため、売れ行きの良し悪しで受発注数を調整することもできます。
発注先にもSKU単位で発注できるため、どのアイテムが何個必要なのかをすぐに把握できます。在庫管理や売上、受発注といった物流はSKUがベースで動くことも多いため、必須と言えるでしょう。
業界によって異なるSKU
SKUの設定や取り扱いは、物流内の業種や業界によっても異なります。主な業界別のSKUの考え方や設定方法について解説します。
アパレル業の場合
アパレル業では、同じ種類の衣類でもデザイン違い、色違い、サイズ違いが存在するためそれぞれでSKUが設定されます。
たとえばデザインが2種類、サイズがS/M/L、カラーが4種類あるTシャツのSKUは24SKUです。
Tシャツ、ズボンといったアイテム別ではなく、SKUをベースに在庫管理や受発注が行われています。
製造業(食品)の場合
食品の場合、同じアイテムでも異なるフレーバー、容量が存在するためそれぞれでSKUが設定されます。また、同じアイテムでもバラ売りとケース売りがある場合は、同じく異なるSKUが設定されます。
たとえば缶のサワー飲料がレモン・みかん・ゆず・ドライの4フレーバー、350ml・500mlの2つの容量、バラ売りと6缶ケース、24缶ケースがある場合は4×2×3で24SKUです。
なお、期間限定デザインなどでパッケージが異なり内容は同じアイテムの場合、パッケージでSKUを分ける場合と分けない場合があります。
製造業(原料)の場合
原料を取り扱う製造業の場合、顧客の要件に応じて、濃度、純度、形状や量など、オーダーメイドに近い形でSKUが設定され、アイテム数に対してのSKU数が多くなる傾向にあります。
製造業(精密機械)の場合
精密機械を取り扱う製造業の場合も、機器のカラーや機能、仕様など細かくSKUが設定されます。特に家庭用電化製品の場合、同じ見た目の機器でもエントリーモデルとハイエンドモデルで搭載されている機能が異なる場合も多いです。受発注や在庫管理を適切に行うためにも、SKUが設定されています。
また、組み立てメーカーへ部品を提供している業界においては、サービスパーツとして製品の修理に使う大量の部品をSKUとして保管する必要があります。
その他の業界の場合
アパレル業や食品業などの小売業、製造業以外の業界でもSKUは活用されています。たとえばIT業界では、ソフトウェアのグレードやサブスクリプションサービスの売上管理や受発注などでSKUを設定しています。
会計管理ソフトでライト・カジュアル・エンタープライズの3つのグレードがある場合、3SKUといったように設定されます。
まとめ
SKUの概要や物流業界における重要性、業界別の取り扱いや考え方の違いについて解説しました。SKUを設定することで商品別の適正な在庫管理や受発注、売上管理につながります。SKUは商品識別コードを基準として考えられるため、SKUに応じた商品識別コードを発行することで、より在庫管理や受発注が効率化できるでしょう。
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