コストマネジメント

今すぐできる!ホテル・旅館のコスト削減アイデア

ホテル・旅館の経営において「コスト削減」に取り組むことは「売上を増加させる」ことと同様に大変重要な施策です。コストを削減することで支出を減らし利益率UPを目指しましょう。

実は、コスト削減には基本的なやり方が決まっており、その点でコスト削減は売上を増加させることよりも企業経営に対して大きな効果を与えやすいといえます。コスト削減しようと考えているご担当者様は、ぜひこちらの記事を参考にホテル・旅館のコスト削減に取り組んでみてください。

コストマネジメントのお悩みを解決したい方へ

プロレド・パートナーズでは、コストマネジメントのコンサルティングを承ります。 自社の現状把握や、実行支援をご検討される際にはお気軽にご相談ください。

 

ホテル・旅館でコスト削減するために必要な最初のステップ

コスト削減に取り組むにあたって重要なポイントは「事前分析」です。まずは年間で何にいくら支払っているのかを全体把握し、どの費用を削減すべきかを判断しましょう。

全体把握をする方法としては総勘定元帳を分析するのがおすすめです。処理データの集合体である総勘定元帳から分析するにはデータの加工が必須ですが、全社の支払いデータを一括で確認できるメリットがあります。

年間支払額の大きいものや取引先との契約更新タイミングが近いもの、市況トレンドが下落傾向にある費用などが削減見直しの優先順位の高いものと考えられます。

このような観点からコスト削減に取り組む優先順位を付け、最優先費用から着手していきましょう。

ホテル・旅館運営にかかる2つのコストとは

ホテル・旅館に限らず、企業経営には「固定費」と「変動費」と呼ばれる2つのコストが掛かります。

一般的にホテル・旅館においては「固定費」が「変動費」に比べて高い傾向にあります。では2つのコストについて見ていきましょう。

ホテル・旅館の「固定費」

固定費とは、家賃や地代、人件費や広告宣伝費のように売上やお客様の数に関係なく事業活動に必ずかかる費用のことです。

売上の上下に関係なく掛かるため、売上が増加しているときには金額として目に付きづらいのですが、一定の金額を支払い続けているためコスト削減の効果が高い費用と言えます。

ホテル・旅館の「変動費」

変動費とは、アメニティやリネン、食材のようにお客様の数によって変動する費用のことです。

売上を増加させるためにも必要な費用のため、売上に応じて変動費も変わっていきます。売上が大幅に増加すれば変動費も大幅に増加します。

金額自体よりも割合に視点を置き、削減可能かを見極める必要があります。

ホテル・旅館のコスト削減における注意点

ホテル・旅館におけるコスト削減について、十分に注意しなければならない点があります。それは集客と売上に直結する「サービスの質」を落とさないという点です。

例えば清掃の簡略化による館内の汚れや、リネン・アメニティの原価削減による安っぽさを感じさせてしまう、人件費削減によってお客様への対応の質が低下してしまっては本末転倒です。

顧客満足度が下がることによりリピート率が下がることや、インターネットでの口コミで悪い評判が立ってしまい売上そのものに影響を与える可能性があります。

コスト削減に囚われるあまり、本来必要である部分の費用を無理に削減しないように十分注意しましょう。

7つのコスト削減アイデア

コスト削減できる費用は数多く存在しますが、ここではその中から7つをご紹介します。

自社でも取り組める内容となっていますので、まずは出来ることから取り組んでいきましょう。

1.人件費

人件費とは、従業員を雇用することによって発生する費用です。

人件費の削減は社員のモチベーション低下に直結する恐れがあることから、慎重に進める必要があります。

  • アウトソーシングを活用する
    ポイント:アウトソーシングできる業務を洗い出し、業務委託費用と人件費で比較する
  • ノウハウを共有し作業の効率化を図る
    ポイント:ミスや成功の状況や原因、それに対する対策をデータベース化して共有する
  • 会議やミーティングの削減・効率化を図る
    ポイント:社員、アルバイトの拘束時間を時間換算し、不要な会議やミーティングは辞め、効率的に進行できるように事前に準備や出席者との共有を行う

2.エネルギー費(電気)

エネルギー費にはガス代も含まれますが、ここでは企業において使用が多く、コスト削減効果の高い電気代について取り上げます。

使用量を削減する方法と、契約している電力会社やプランの切り替えによりコスト削減する方法があります。

  • ロビー、ホール、事務室等、部屋・場所に応じた温度を設定する。
    ポイント:空調場所、部屋の用途に応じた適切な空調温度に設定し無駄な運転を防止する。
  • LED照明を導入する
    ポイント:白熱電球に比べ電力の利用効率が高く、例えば「白熱電球60W型に相当する明るさ」というLED電球の消費電力は10W程度である
  • 電気料金の支払い方法を見直す
    ポイント:口座振替にすることで割引が適用される場合がある

3.備品・消耗品費

備品・消耗品費とは、ボールペン、ハサミ、のり、伝票類の作成や事務処理に係る費用のことです。

会社一括購入により単価を下げる方法や、従業員のコスト意識を高めることによって数量を削減する方法等があります。

  • 基本的にすべての商品に対して価格交渉を行う
    ポイント:今まで購入している事務用品や消耗品はすべて協議を行う。
  • 総務部門の一括購入とする。
    ポイント:購入部門を1つにまとめて管理することで、各部署で制限なく購入してしまう状況を防ぐ。
  • PCにインストールするソフトは使用するものだけにする
    ポイント:職種等によって使用しないソフトも存在するので、それぞれの社員に合わせて必要なソフトだけをインストールする。

4.支払手数料(クレジットカード手数料)

支払手数料とは、金融機関の振込手数料、弁護士や会計士等の外部の専門家に対する報酬や、不動産業者に支払う仲介手数料を指します。

ここではクレジットカード手数料の削減について取り上げます。

  • クレジットカード会社各社に、料率の削減交渉を行う
    ポイント:クレジットカード利用総額と業種、与信等で料率は設定されるが、協議によって下げることは可能
  • 料率の高いクレジットカード会社のカード利用頻度を減らす
    ポイント:料率の低いカードのステッカーをより見やすい位置に貼る。
  • 料率の高いクレジットカード会社のカードは解約する
    ポイント:解約時の影響(当該カードを利用している既存顧客層への影響等)をよく精査する必要がある

5.通信費

通信費とは、電話、FAX、インターネットにかかる費用です。

ITの活用が進み年々コストが増加している費用の一つですので、今こそ見直しが必要な費用です。コスト削減には最適なプランの選定が最も重要なポイントになります。

  • 定期的に複数の通信業者にプランの提案を依頼し、最適なプランを選定する。
    ポイント:コストと運用面のバランスが最適なプランを選定する。
  • 不要な有料プランは解約する。
    ポイント:携帯電話であればキャッチホン、電話帳バックアップ等の有料オプションについて、不要であれば解約する。
  • 拠点ごとになっている契約を集約する
    ポイント:店舗等複数拠点がある場合、個々で契約するのではなく、本社等一箇所に契約を集約することで、割引率を高める。

6.清掃費

清掃費とは、清掃業者に自社の清掃を委託する場合にかかる費用を指します。

清掃費は、どの範囲を業者に委託するかでコストが大きく変わります。自社に最適な体制を決定することが重要となります。

  • 既存の業者に価格交渉を行う
    ポイント:単純な価格交渉だけでなく、清掃内容を見直すことで価格交渉余地があるか探ることが出来る
  • 効率の悪い作業や過剰な人員の配置が行われていないか、勤務実態の確認を行う
    ポイント:古い清掃方法で作業していることにより、効率が悪い作業が行われている場合がある
  • 清掃仕様書を確認し、清掃の頻度・内容が過剰でないか精査し、過剰仕様を削減する
    ポイント:他の支店等とも見比べ、不要なものはできるだけやめる。社員でできる清掃は実施しない

7.広告・宣伝費

広告宣伝費とは、商品やサービス、会社などを広く一般に売り込むための広告や宣伝、販促等にかかる費用のことを指します。

代理店手数料や無駄な広告を減らす施策が効果的であり抜本的に見直すならばROIの視点も重要になってきます。ホテル事業ではOTAも欠かせない施策ですが、他の施策と比べて費用対効果が悪くないかを見ていく必要もあります。

  • チラシやDM、POPの印刷費を削減する
    ポイント:格安な印刷会社に入稿し、印刷費を削減する。フルカラーから2色刷りに変更する
  • ソーシャルメディアを活用する
    ポイント:FacebookやX(旧Twitter)、LINEなどを利用しネットでの拡散を図る
  • 広告宣伝費の効果測定を行う
    ポイント:投資効率を用いて、広告宣伝費による効果があるかを検証する

まとめ              

ホテル・旅館で取り組むコスト削減手法についてご紹介しました。ご紹介した費用以外の削減についてもそれぞれの費用の特徴にあった削減方法が存在します。プロレド・パートナーズでは、自社でのコスト削減の取組みに役立つガイドラインを無料でご用意しておりますのでぜひご覧ください。

プロレド・パートナーズでは人件費と研究開発費を除くコストを間接材コストと名付け、間接材コストの削減を専門に取組んでおります。自社で取り組んではいるが行き詰っている、そもそも何から始めていいかわからないなどのお悩みをお持ちの方はお気軽にご相談ください。

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