コストマネジメント

化粧品メーカーのコスト削減を成功に導く方法を解説!

化粧品メーカーにおいてコスト削減は重要な経営戦略となっています。競争が激化する化粧品市場では、効果的なコスト削減は企業の競争力を高めるため不可欠です。しかし、効果的にコストを削減することは簡単なことではありません。

この記事では、化粧品メーカーが自社でコストを削減するための具体的な方法を解説します。また、現在世間をにぎわせている「物流2024年問題」が化粧品メーカーに及ぼす影響についてもご紹介します。コスト削減はただ単に費用の削減だけでなく、企業の持続可能性や競争力を高めるための重要な要素ですので、ぜひこの記事を参考にして、コスト削減についてより深く理解し取り組んでください。

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プロレド・パートナーズでは、コストマネジメントのコンサルティングを承ります。 自社の現状把握や、実行支援をご検討される際にはお気軽にご相談ください。

 

化粧品メーカーにおけるコスト削減の重要性

コスト削減の重要性を理解するために、まずは化粧品業界における競争力の要素について考えてみましょう。化粧品はファッションや美容に関心のある顧客にとって非常に関心度の高い製品であり、そのため企業は顧客に対して魅力的な製品を常に提供していく必要があります。

製品の魅力は、多くの要素によって決まります。品質、デザイン、ブランドイメージなど、さまざまな要素が顧客の選択に影響を与えます。その中でも、顧客が製品を選ぶ際の重要な要素として「価格」があります。コストを削減することで価格競争に対応し、価格を競争力のある水準に保つことができます。特に、低価格帯の製品を提供することが戦略的に重要な場合があります。また、コスト削減は利益率の向上につながります。同じ売上高を達成するために必要なコストを減らすことで、利益を増やすことができます。これにより、企業の経済的な健全性が高まり、投資や成長に資金を確保しやすくなります。

すでに様々な工夫やチャレンジを行っていると思いますが、そんななか見落としがちな施策、取り組んでいたとしても実は適正化できていないのがコスト削減です。今一度このコラムを参考に、コストについて見直してみてはいかがでしょうか。

化粧品メーカーのコスト削減における注意点

化粧品メーカーのコスト削減において注意すべき点もご紹介します。それは製品の魅力を失わせてしまうようなコスト削減をしないようにするということです。顧客が製品を選ぶ要素として挙げた、品質・デザイン・ブランドイメージ・価格のうち、デザインやブランドイメージは広告宣伝費をコスト削減によって影響を受ける可能性があります。パッケージのコストを無理に削減することでチープなイメージを与えてしまい、ターゲットとする顧客とミスマッチを起こしてしまっては元も子もないことになります。CM等もコスト削減の結果、クオリティの低い広告を流すことでブランドイメージに傷をつけることにもなりかねません。

また、店舗運営もされている企業だと、店内清掃の費用を削減したことによる清潔感の低下や、人件費削減によって店内のオペレーションが悪化しお客様への対応の質が低下してしまうとお客様の来店意欲をそぐ結果にもなりかねません。顧客満足度が下がることによりインターネットでの口コミで悪い評判が立ってしまう危険性や来店数自体が低下し、売上に悪い影響を与える可能性すらあります。売上を増やすために必要な費用について、コストの面だけに囚われ無理に削減しないように十分注意しましょう。

化粧品メーカーにおける5つのコスト削減アイデア

コスト削減できる費用は多く存在しますが、ここではその中から5つをご紹介します。自社でも取り組める内容となっていますので、まずは出来ることから取り組んでいきましょう

1.広告宣伝費

広告宣伝費とは、商品やサービス、会社などを広く一般に売り込むための広告や宣伝、販促等にかかる費用のことを指します。代理店手数料や無駄な広告を減らす施策が効果的であり抜本的に見直すならばROIの視点も重要になってきます。化粧品販売においてはパッケージデザインやイメージ戦略に力を入れていると思います。先に述べた注意点を忘れずにコスト削減に取り組みましょう。

  • オウンドメディアを構築する
    ポイント:役立つ情報を自社から、興味のあるターゲットに定期的に発信する。
  • ソーシャルメディアを活用する
    ポイント:FacebookやX(旧Twitter)、LINEなどを利用しネットでの拡散を図る
  • 広告宣伝費の効果測定を行う
    ポイント:投資効率を用いて、広告宣伝費による効果があるかを検証する
  • プレスリリースを発行する
    ポイント:メディアに取り上げられる機会を作る

2.損害保険料

損害保険料とは、事業を万が一の事故や災害等のリスクから守るために掛けた保険料を指します。自動車保険や自賠責保険、事業所の火災保険などがこれに当たります。保険に関しては定期的な見直しが効果的です。不要な特約に入っていないか、限度額は適正かといった部分に削減の余地があります。

  • 必要な保険金額の見直しを行い、最適な保険金額にする
    ポイント:事故があった際に支払われる金額が必要十分であることを確認する。
  • リスク調査を行う
    ポイント:リスク調査会社の調査でリスクマネジメントができていると、保険料金削減の対象となりやすい
  • 他社の保険会社へ変更する
    ポイント:他社と相見積もりを取得しただけで、数十パーセント以上の削減見積もりを取得できることがある
  • 3~5年の長期化を行う
    ポイント:保険期間の長期化で割引が受けられる場合があるが、一括での支払いが必要となる。

3.警備費

警備費とは、警備会社に学校の警備を委託する場合にかかる費用を指します。警備費は業種によって必要となる警備のレベルが異なり自社に最適な警備体制を決定することが重要となります。

  • 警備員の人数、時間が過剰でないかを確認し、過剰であれば削減する
    ポイント:他の校舎や同業他社の状況と見比べ、過剰な場合はやめる
  • 可能な限り機械警備に切り替え、警備員の人数を削減する
    ポイント:初期投資が掛かるが、警備システムの導入により防犯度も高められる
  • 既存の業者に価格交渉を行う
    ポイント:単純な価格交渉だけでなく、警備内容を見直すことで価格交渉余地があるか探ることができる
  • 稼働実態を把握し、必要最低限のスポットでの発注に変更する
    ポイント:繁忙期のみ発注するなど、スポットでの発注に切り替える

4.修繕費

修繕費とは、事業所等の建物や備品などの修繕・修理費用を指します。相見積もりと条件交渉によって大きな削減が可能ですが、そもそも修繕とならないように物品や建物を大切に扱うことが最も効果的なコスト削減となります。

  • 簡単な修繕は自社でこまめに行う
    ポイント:日常清掃や小さな傷の補修などは道具や部材が揃えやすく自社で手をつけやすい。小さな汚れや傷などを発見したら直ぐに清掃または補修をする。直ぐに対応することで被害の拡大を防止でき、さらなる出費を抑えることができる。
  • 新品と中古機具を都度取捨選択する
    ポイント:新品には保障期間があり、中古には保障期間がない事もあり、修理に高額な費用が発生したり、修理に必要な部品が廃盤になっていることもある。初期費用で支出を抑えることも大事だが、数か月先の支出も考慮し選択を行う。
  • 損害保険へ加入する
    ポイント:保険加入を行い施設内での事件事故に備え、トラブル発生時に支出を減らす
  • 契約時に修繕が発生した場合の取り決めを行う
    ポイント:店舗内、外の責任エリアを明確に線引きし、テナント責任での修繕が必要かどうかを契約時に明確にしておく。

5.エネルギー費

エネルギー費にはガス代水道代も含まれますが、ここでは企業において使用が多く、コスト削減効果の高い電気代について取り上げます。使用量を削減する方法と、契約している電力会社やプランの切り替えによりコスト削減する方法があり、世界情勢などによっても価格の上下があるので常に新しい情報を収集するようにしましょう。

  • 室外機周辺の障害物を除去する
    ポイント:室外機の近くに障害あるいは障害物がある場合は、室外機との間に適正なスペースを確保し、室外機祝言の吸熱効果を高める。
  • 外光等の点灯時間を季節別に管理す
    ポイント:屋外照明(屋外灯、駐車場灯、看板灯等)は、季節に応じた点灯時間の管理を行う。
  • 電気料金の支払い方法を見直す
    ポイント:口座振替にすることで割引が適用される場合がある
  • 新電力(PPS)に切り替え、安価な電力の供給を受ける
    ポイント:安全な新電力会社であるか、しっかりと見極める必要がある。

物流2024年問題の影響

化粧品メーカーにおいて、物流費はコストの多くを占める費目なのではないでしょうか。「物流2024年問題」と呼ばれる問題が世間を騒がせています。化粧品メーカーも2024年問題に影響を受ける可能性があり、これらの課題に対して、効率的な物流戦略の見直しや技術の活用、適切な在庫管理などを進めることで、2024年問題に対応していくことが求められています。考えられるいくつかの課題を紹介します。

物流コストの増加

働き方改革関連法により運送ドライバーの労働時間が制限され、輸送効率が低下することで、物流コストが増加する可能性があります。化粧品メーカーにとって原材料や製品の輸送にかかる物流コストの上昇は大きな影響を及ぼすと考えられます。

納期遅延のリスク

同じく運送ドライバーの労働時間の制限は物流業界全体の配送キャパシティを低下させます。この低下により、運べる量が減り、製品の納期が遅れるリスクが高まります。特に季節商品や新製品の発売など、タイムリーな供給が求められる場合には注意が必要です。

在庫管理の見直し

物流の制約を考慮した上で、在庫管理について見直す必要があります。自社にとって適切な在庫レベルを維持しつつ、納期遅延を最小限に抑えるための戦略を検討することが重要です。

物流費のコスト削減や在庫適正化、倉庫改善などについては別のコラムで詳しく説明しています。物流に関する記事も多数掲載しておりますのでぜひご覧ください。

<SCM/物流コラム>

また、オルビス株式会社様のご支援させていただいた際にインタビューさせていただいた記事も以下に公開しております。弊社の支援に対しお喜びのお声をいただいております。

<クライアントインタビュー/オルビス株式会社様>

まとめ                   

化粧品メーカーで取り組むコスト削減手法と物流2024年問題の影響についてご紹介しました。コスト削減は化粧品メーカーにとって重要な施策となりますので、まずは自社でできることから取り組んでみてはいかがでしょうか。ご紹介した費用以外の削減についても様々な削減が可能です。プロレド・パートナーズで自社でのコスト削減に役立つガイドラインを無料でダウンロードできる資料をご用意しておりますのでぜひご利用ください。

また、プロレド・パートナーズでは人件費と研究開発費を除くコストを間接材コストと名付け、間接材コストの削減を専門にご支援しております。自社でコスト削減に取り組んだが行き詰っている、そもそも何から始めていいかわからないなどのお悩みをお持ちのご担当の方はお気軽にご相談ください。

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