経営企画部は、企業のビジョンや経営方針を明確にし、その実現のために中長期的な経営戦略を検討・策定、さらに実行管理までを担う部署です。具体的には、中期経営計画や予算の策定、経営方針をもとに社内リソースの配分を決定していくなどの業務を担っています。その他にも競合他社の分析をして自社の立ち位置を再確認したり、新規事業をあらたに企画立案したりすることもあります。
この記事では、経営企画部の役割や業務内容について、詳しく解説します。
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経営企画部とは
経営企画部は様々ある部署のなかでも、経営層に最も近い部署です。企業経営の将来に大きくかかわる重要なポジションであることから、経営層の意思決定をサポートする存在として専任の人員を配置する企業も少なくありません。
主な業務としては以下のとおりです。
- 中期経営計画の策定
- 予算の策定
- ヒト、モノ、カネといった社内リソースの分配
- 新規事業の企画
その他、たとえば社内のDX化やコンプライアンス関連業務、サステナビリティ推進など、全社横断の重要なプロジェクトをけん引することも含まれます。企業の規模やフェーズによって業務内容の詳細は異なりますが、企業の長期的な成長を目指し、方向性や戦略を策定する重要な部署です。
経営企画部の仕事内容
続いて、経営企画部の具体的な業務内容をご紹介します。
予算策定
予算策定とは、その年の「売上」と「経費」の予算を定めることを指します。これにより経営戦略の決定や社内リソースの配分が決まり、達成すべき目標を全社的に共有できます。また、投資家はこの「予算」を基準に投資判断をおこなうため、特に上場企業では精度の高い情報開示が求められます。
中期経営計画の策定
中期経営計画は3~5年後をめどに「企業のあるべき姿」を設定した、具体的な数値目標を指します。企業が中期的に目指す「あるべき姿」と、現状とのギャップを把握するための計画であり、売上目標や利益目標、CO2削減量などを数値で示していることが特徴です。
短期的な目標だけに注目してしまうと、企業は経営方針やビジョンを見失ってしまう場合があります。中期経営計画にはこういった事態を防ぐ効果も期待できるため、経営企画部がしっかりとかじ取りする必要がある重要な業務です。
社内リソースの分配
社内における人材や予算、工数(時間)は有限であり、その配置は経営計画の実行やプロジェクトの結果にも大きな影響を及ぼします。企業のフェーズに合った優先順位を策定したり、効率的なリソース活用のためにデジタル化を進めたりすることは、組織全体のパフォーマンスを向上させ、経営にもインパクトを与えます。経営企画部は経営層と現場の間に立ち、経営計画を着実に実行するためのリソース分配を検討していきます。
新規事業の企画
新規事業の企画にあたっては、よく「事業企画」と「経営企画」が混同されます。どちらも企業活動の方向を定める業務ではありますが、企画に対する視点のちがいから2つを区別することができます。「事業企画」は事業ごとのレベルで戦略の策定・実行を推進する業務です。対して「経営企画」は会社全体を俯瞰した視点での戦略策定・実行支援をします。
同じ新規事業の企画でも、中長期的な経営方針や企業ビジョンの観点から業務にかかわるのが経営企画部です。
市場調査
市場調査は経営企画部だけがおこなう業務ではありません。事業・商品・サービスごとなど、様々な視点から社内の他部署でも市場調査をおこなっています。ただし、例えばマーケティング業務としての市場調査の目的が「製品やサービスの売上向上」だとしたなら、経営企画部の目的は「企業にとって長期的な利益を生み出せるか」という点です。コスト削減やペーパーレス化(DX化)のように、企業に対して中長期的で全社的な影響を残すものを調査していきます。
ステークホルダーとの関係折衝
企業が製品やサービスを提供する上で非常に重要なのは、ステークホルダーとの関係性です。ほとんどの場合、企業は完全に単独で利益を上げることができません。必ず地域社会、行政、協力会社、投資家などが存在し、相互に影響しあいながら事業を継続しています。そのため、例えば企業として社会的信頼を失うような事態は避けなければなりません。自社のみならずステークホルダー全体との利益共有が求められる現在、経営企画部では企業の健全性と相互共益も検討していく必要があります。
経営企画部の役割
経営企画部の主な役割は中長期的な経営方針の立案と実行支援です。そのため、経営層と現場の間に立ち、双方に対して予算や計画を具体的に実行するサポートをおこなったり、企業の経営方針やビジョンを定めるためにステークホルダーとの関係折衝や競合他社・市場調査を担うこともあります。企業の中心に位置する経営企画部は経営方針を策定・実行支援するとともに、社内と社外、経営層と現場の間に入り、それぞれの関係性を円滑に保つことが役割といえるでしょう。そのため、経営や財務の知識、他社や業界に対する広い興味関心、率直かつ円滑なコミュニケーション能力など、多岐にわたるスキルが求められる部署でもあります。
まとめ
この記事では経営企画部の役割や業務内容について解説しました。
経営企画部は業務上様々な部署とかかわることから、コンサルタントと協力して全社的なコスト削減に取り組むには最も適した部署といえます。
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