アウトソーシングは、今やビジネスにおいて欠かせないソリューションと言っても過言ではありません。

アウトソーシングというのは、社内の業務の一部を外部に委託することを意味します。企業のような組織は業務をアウトソーシングすることで、組織内の人材やコストなどのリソースをより重要な部分に集中させることで、コスト削減と共に業務効率を上げることが可能になります。今回はこのアウトソーシングを活用したコスト削減や業務効率化についてご説明します。

アウトソーシングとは

アウトソーシングとは、企業のような組織における特定の業務やプロセスを外部に委託することです。

例えば大量のデータ入力や処理など、専門性の低い業務はアウトソーシングに適していると言えるでしょう。単純な作業に社内の貴重なリソースを割くよりは外部に委託した方が、他の重要な業務に従事できるため業務効率は格段にアップするはずです。

逆に社内システムの設計・開発など、専門性の高い業務をアウトソーシングするのも一般的です。社内にITスキルが高いエンジニアを雇用すると、給与水準が高くまた採用コストもかかるため、その業務自体をアウトソーシングした方がコストを抑えることができるからです。

より効果的な組織の運営ができるように、必要に応じて社内の業務を外部に委託する事を行い、その結果どのようなメリットが得られるかをしっかり見極めることがアウトソーシングを使う上で重要なポイントとなります。

アウトソーシングのメリット

企業がアウトソーシングを使うことによって得られるメリットについて見ていきましょう。

まずメリットとしてあげられるのが「コスト削減」です。

企業が内部に保持できる設備や人材などのリソースには限りがあります。そのリソースを有効に活用するためには、効果的に業務を遂行することが必要となります。

そのために使える手段がアウトソーシングです。アウトソーシングで必要な時だけ外部に業務を委託すれば、無駄なリソースを常時保有する必要がなくなり、コスト削減が実現できます。

さらにアウトソーシングを活用することによって、単にコスト削減のためだけではなく、組織内の専門性を高めるというメリットも得られます。専門性の低いルーティンワークなどに人材を割くのではなく、外部に委託することで、スキルの高い人材をより専門性のある重要な業務に集中させることが可能となります。

近年ではビジネスにおいて「選択と集中」がキーワードとなっていますが、これを実現するためにはアウトソーシングが大きな役割を果たします。

アウトソーシングのデメリット

アウトソーシングを使うことのデメリットについて見ていきましょう。
まずはコミュニケーションの問題です。業務を外部に委託するためには、委託先とのコミュニケーションを社内と同等のレベルにしなければなりません。コミュニケーションが取れないと、業務が思ったように進まない可能性もあります。さらに品質管理も、原則的には委託先にお任せという形になりますから、場合によっては問題が発生するかもしれません。
その他にも、近年重視されている情報セキュリティの問題も、委託先をしっかり見極めないとトラブルに発展する可能性があります。コンプライアンスの問題も同様でしょう。万一何らかの情報が委託先から外部に漏れてしまった場合でも、アウトソーシングをしているからという理由で自社の責任を回避することはできません。
アウトソーシングを進めていった結果、アウトソーシングへの依存度が高くなりすぎて、ノウハウが社内に蓄積されない・社内スタッフのモチベーション低下などのデメリットを生む可能性もあります。

アウトソーシングでのコスト削減の効果

先ほど紹介したアウトソーシングによるコスト削減の効果について、もう少し詳しく見ていきましょう。アウトソーシングによるコスト削減には大きく分けて以下の3つの効果が期待できます。

1. 業務改善によるコスト削減
2. 人件費の変動費化でのコスト削減
3. 生産性向上によるコスト削減

1. 業務改善でのコスト削減          

まず一番わかりやすいのが、アウトソーシングによる業務改善でのコスト削減でしょう。

インフラ（設備や技術）を整える必要のある特定の業務を外部に委託すれば、社内にインフラを整える必要がなくなり、そのためのコストが削減できます。

あるいは、専門性を必要とする業務をアウトソーシングすれば、専門家を育成するコストも削減できます。

さらにアウトソーシングを活用すれば需要の増減に対し柔軟に対応でき、委託する業務に対して需要が増加した時には委託量を増やし、減った時にはカットすることも可能となります。

多くの業務は実施する以外にも、業務を管理する必要があります。アウトソーシングすることによってこの管理業務も外部に委託できますので、目に見えにくい管理コストも削減できます。

2. 人件費の変動費化でのコスト削減

アウトソーシングを活用することにより、固定費の代表でもある人件費を変動費化することは、メリットの中でも特に注目するべきものでしょう。

組織内の業務を外部にアウトソーシングすれば、必要な時だけ必要な分を外部に委託すれば良く、大きなコスト削減が可能となります。
企業において正社員を雇用するということは、業務の忙しさにかかわらず人件費という固定費を支払う必要があるということです。しかし必要な業務だけを組織内に残し、外部委託できる部分をアウトソーシングすれば、その分の人件費を変動費に転化できますから、業務の量に応じて必要なだけのコストだけで済み、結果としてコスト削減となります。

さらに正社員雇用に伴う管理費の削減や、人事、労務管理に関するコストも削減できますから、総合的に大きなコスト削減効果が期待できます。

3. 生産性向上におけるコスト削減

アウトソーシングは生産性の向上という意味でも、コスト削減に貢献します。

アウトソーシングにより業務を専門性の高い外部に委託すれば、委託先が持つより高い専門知識や技術によって、業務や委託品の品質や生産性が高まります。

社内で同じレベルを保つためには人材の教育やインフラの整備などが必要となり、そのためにコストが発生すると共に、生産性も専門の委託先と比較すると落ちてしまうことがほとんどです。
さらにアウトソーシングを適切に活用することにより、社内の人材をコア業務に集中させることができ、生産性を高めることが出来ます。生産性が上がるということは、コストは同じでも成果はいままでよりも多く得ることができるという事です。そのため、相対的にコスト削減がなされたと言えます。

まとめ       

このように業務のアウトソーシングは企業にコスト削減や業務の効率化など様々なメリットを生み出すことが可能です。

まずは組織内で専門性の低い業務をピックアップし、アウトソーシング化することで人的リソースを企業のコア業務に集中して、生産性を向上しコスト削減を目指してみてください。

さらに社内で専門家を育てるハードルが高い業務については、専門性の高い信頼できるアウトソーシング先を見つけられれば、より品質が高いプロダクトやサービスを効率的に享受することも可能です。

アウトソーシングとはこのように、単に業務を外部に投げるというものではなく、業務を取捨選択し、よりコスト削減や効率化が可能となるように活用するのが正解と言えるでしょう。