企業を経営・運営する上で、電話やインターネットなどの「通信費」は必要不可欠な経費です。しかし近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進やリモートワークの定着、法人スマホの支給、社内・ゲストWi-Fiの設置などにより、企業の通信費は年々増加傾向にあります。
「事業に直結するインフラだから削減は難しい」と思われがちですが、通信費は適切なプラン選定や最新サービスへの切り替えにより、最も大きなコスト削減効果を出しやすい費目です。本記事では、コスト削減のプロが実践する通信費の適正化手法を、具体的なアイデアや注意点、実際の成功事例を交えてわかりやすく解説します。
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プロレド・パートナーズでは、コストマネジメントのコンサルティングを承ります。 自社の現状把握や、実行支援をご検討される際にはお気軽にご相談ください。
企業が支払う通信費の内訳

コスト削減を実施する前に、自社で支払っている通信費の内訳を把握しましょう。一般的な企業の通信費の内訳はインターネット費用、電話・FAX費用、PBX(電話交換機)などの設備費用などが該当します。通信費のコスト削減を成功させるには、各内訳に最適な削減手法を実施する必要があります。各費用を詳しく見ていきましょう。
■インターネット通信費
通信費の中でも各企業において増加しているのはインターネット通信費です。現在ではインターネットは必須の存在となり、オンライン会議などクライアントや関係者とのやり取りやECサイトの運用やWEBマーケティング施策、市場調査などあらゆる場面で必要とされます。また、テレワークや在宅勤務の導入によりインターネットの利用機会はさらに増え、インターネット通信費は増加し続けています。
■固定電話代
固定電話は、インターネットの普及により利用頻度は下がりつつありますが、まだまだ企業にとってはなくすことが出来ない存在です。電話利用で発生する費用は「外線通話料」と「転送料」の2種類です。固定電話の通話料は、距離が離れるほど料金が高額になる仕組みとなっているため、遠方のクライアントや関係者との通話が多く発生する企業では負担となりやすい費目です。
■携帯電話代
現代のビジネス環境では、携帯電話・スマートフォンの活用は必須となりました。外回りをする職種はもちろんのこと、社内の業務にあたる社員にも一人一台支給する企業も珍しくありません。企業の従業員数によって規模は異なりますが、1社で何千回線といった契約されているケースもあり、契約プランの見直しはコスト削減の手法の中でも大きな成果を上げられる手法となっています。
■FAX代
メールの普及によりFAXの使用頻度は大きく下がりましたが、業界によっては今でもFAXを活用している企業も多く存在します。また、設備は複合機と一体化されており、電話の回線を用いるため使用頻度がほぼ無いにも関わらず、コストの見直しをしたことが無いという企業も多いのではないでしょうか。FAXは送信時の通信料だけでなくは印刷することで消費する紙やインクの補充などで追加費用も生じるため、コストを見直すことで削減の可能性が大いにあります。
■フリーダイヤル代
フリーダイヤルもHPの問い合わせフォームの活用により利用頻度が下がってきていますが、お客様からの問い合わせ窓口などまだまだ必要とされる存在です。フリーダイヤルは受電側である企業が通話料を負担する仕組みとなっており、お問い合わせの多い通信販売業などでは大きなコストが発生しています。
■その他(設備費・人件費など)
上記の通信を行うための設備費用も通信費コストといえるでしょう。固定電話機、携帯端末機、特にスマートフォンなどは高額で社員全員に支給となると莫大な費用が掛かります。多くの企業ではレンタルやリースを活用してコストを抑えています。さらにPBX(電話交換機)など周辺機器のコストや、最近では企業の受電を外注サービスに依頼するなどの事例も多く、これらの費用も勘案する必要があります。
【チェックリスト】自社の通信費は高い?安い?
自社の通信費が適正かどうかを判断するのは難しいものです。まずは、以下の「通信費のムダを見極めるチェックリスト」で、自社の現状を確認してみましょう。
☐ 2年以上、通信会社との契約内容(プラン)を見直していない
☐ 使っていない固定電話の回線や、解約忘れのスマートフォンが残っている
☐ オフィスの固定電話やFAXのために、わざわざ出社することがある
☐ 法人スマホの音声通話定額プラン(かけ放題)が、全社員一律で適用されている
☐ インターネット回線とプロバイダの契約(請求)が別々になっている
☐ 「なんとなく安心だから」という理由で、不要な補償オプションがついている
どれか一つでも当てはまればコスト削減の可能性があります。
通信費を削減するアイデア

通信費を削減するアイデアを内容ごとにご紹介します。削減効果の大きいものから小さいもの、手間のかかるものからすぐにでもできるものなど様々ですが、まずは自社に合ったものから実施していくと良いでしょう。
電話料金の削減(固定電話・携帯電話共通)
・定期的なプランの見直し
定期的に複数の通信業者にプランの提案を依頼し、コストと運用面のバランスが最適なプランを選定する。
・毎月の基準電話料金の設定と周知
1人あたり、チームあたりの基準を設定することで、基準料金の中に収まるように意識するようになる。
・不要な有料オプションの解約
固定電話であればナンバーディスプレイ、キャッチホン等、また携帯電話であればキャッチホン、電話帳バックアップ等の有料オプションについては、不要であれば解約する。
・WEB明細の利用
WEB明細を利用すると、基本使用料から割引が適用される場合がある。
・名刺やホームページへ電話番号の不記載
メール受付を基本とすることで、電話対応にかかる費用(電話対応者の人件費等)を削減できる。
・無料ツールの利用
Skype、LINE、Viber等の無料通話/チャットのサービスを利用する。
・契約の集約
店舗等複数拠点がある場合、個々で契約するのではなく、本社等一箇所に契約を集約することで、割引率を高める。
・通話料の周知
オフィス等の電話機に、単位時間あたりの通話料の目安を貼ることでコストに対する意識を高め、必要のない長電話を抑制する。
固定電話料金の削減
・IP電話の利用
グループ間の通話が無料、全国一律料金等のメリットがある。
・各種割引サービスを利用
電話番号の前に事業者の識別番号を付けると、固定電話から携帯電話、PHSへの通話が安くなる。事業者識別番号の割引サービス(通信事業者各社)や、月々の同一県内への通話の内、上位3つの電話番号への通話料金を割引するサービス(NTT)等がある。
※詳しくは、サービスを提供している通信事業者各社(NTT、Softbank、KDDI等)のホームページを参照。
・電話の回線数、番号数の低減
問題が無い程度まで回線数、番号数を減らすことで、回線基本料金だけでなく利用量自体も抑制する。
携帯電話料金の削減
・月額割引サービスの利用
誰でも割、年割等の様々な割引サービスが存在するため、通信事業者に割引サービスがないか直接確認する。
・プライベート用の携帯電話を使用させる
プライベート用の携帯電話を使用させて、社用で利用した分だけ明細で確認して支払うことで、携帯電話の基本料金の支払いが不要となる。
・毎月の電話利用料金の見える化
社員一人一人の電話利用料金を可視化することで、抑制の意識が働く。
インターネット料金の削減
・インターネット回線費の価格交渉
回線業者によっては減額が可能なので、5社以上の回線業者に相見積を取り、価格交渉を行う。
・ネットワークにつなぐPCの限定
回線やルーターのスペックを下げることができ、セキュリティソフトも全台数分必要が無くなるため、コスト削減につながる。
・プロバイダの月額費用の価格交渉
プロバイダによっては減額が可能なので、5社以上のプロバイダ業者に相見積を取り、価格交渉を行う。
その他料金の削減
・インターネットFAXの利用
FAX購入費、FAX用紙代、トナー代、FAX通信費、FAX専用回線費が不要で、月額使用料のみで利用できる。
・クラウドサーバーの利用
自社サーバーは初期投資と運用のコストと手間がかかるので、クラウドのサービスと比較してどちらがコストと運用の面でバランスが良いか検討する。
・レンタルサーバーの月額費用の価格交渉
サーバーによっては減額が可能なので、5社以上のサーバー業者に相見積を取り、価格交渉を行う。
通信費をコスト削減する際の注意点

通信費のコスト削減を進める上で、最も避けなければならないのは「コストは下がったが、業務効率や業績も下がってしまった」という本末転倒な事態です。
安易なコスト削減による失敗を防ぐために、あらかじめ押さえておくべき3つの注意点と対策を解説します。
通信費を削減する際の3つの注意点(リスクヘッジ)
① 通信品質・スピードの低下(業務効率への影響)
- リスク: インターネット回線やプロバイダのプランを最安のものに変更した結果、通信速度が著しく低下する可能性があります。Web会議(ZoomやTeamsなど)が途切れる、大容量データの送受信に時間がかかるといった事態を招き、現場の業務効率が大きく低下します。
- 対策: 単に料金だけを見るのではなく、回線の「帯域(混雑時の安定性)」や「最大速度」を事前に確認しましょう。全社一斉に切り替える前に、一部の部署でテスト導入してみるのも有効なリスクヘッジです。
② 回線・窓口の縮小(機会損失と顧客満足度の低下)
- リスク: 固定電話の回線数を減らしすぎたために、顧客からの問い合わせがつながらなくなり、クレームの発生や重要なビジネスチャンスを逃すといった機会損失のリスクが生じます。
- 対策: 自社の「時間帯別の入電数(受電データ)」をあらかじめ可視化し、本当に不要な回線を見極めます。また、回線を減らす代わりに「クラウドPBX」を導入してスマホで受電できるようにするなど、受け皿を用意しておくことが大切です。
③ 解約違約金や導入初期費用の「トータルコスト」
- リスク: 新しいプランや通信会社へ乗り換える際、既存契約の「途中解約違約金」や、新しい機器の導入費用(初期費用)が発生します。目先の月額料金が安くなっても、これらの初期費用を含めると「最初の1〜2年は結果的に赤字だった」というケースが少なくありません。
- 対策: 削減を検討する際は、月額の差額だけでなく、解約費用や初期設定費を含めた「年間のトータルコスト(ROI)」でシミュレーションを行い、何ヶ月で投資回収できるかを算出しましょう。
プロのアドバイス:自社に最適な「バランス」の見極めが不可欠
通信費の削減を成功させるカギは、「安さ」の追求ではなく、自社のビジネスモデルに適した機能・サービス・価格のバランス、つまり最適化にあります。自社の通信利用の実態を正確に把握した上で、効果的なコスト削減を進めていきましょう。
プロレドのコスト削減事例

プロレド・パートナーズでは業種に関わらず多数の通信費削減の削減に取り組んでまいりました。その中の一部をご紹介します。ぜひご覧ください。
<金融業の通信費コスト削減事例>
品質の高い常駐型プロジェクトにより約50%のコスト削減を実現
<調剤薬局の通信費コスト削減事例>
通信プラン集約により約35%のコスト削減
<食品メーカーの通信費コスト削減事例>
実態に合った最適なプラン組成により約30%のコストを削減
まとめ
この記事では企業における通信費のコスト削減について解説しました。今回ご紹介した削減手法以外にも削減する手段は存在します。プロレド・パートナーズでは無料でダウンロードできる「コスト削減ガイドライン」をご用意しております。自社でのコスト削減に役立つ資料となりますのでぜひご活用ください。
また、プロレド・パートナーズでは間接材コスト(人件費と研究開発費を除く)の削減を専門にご支援しております。自社でコスト削減に取り組んだが行き詰っている、そもそも何から始めていいかわからないなどのお悩みをお持ちのご担当の方はお気軽にご相談ください。
通信費のコスト削減も専門家が対応しますので、ぜひご相談ください。
「通信費(固定電話・携帯電話)コスト削減」
「ネットワークのコスト削減」
コストマネジメントのお悩みを解決したい方へ

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