SCM/物流

フルフィルメントとは?主要業務や導入メリットを詳しく解説

EC事業を展開する際に人手不足や業務の複雑化といった課題が発生することがあります。EC事業における課題の解決策のひとつが「フルフィルメントサービス」です。

今回の記事では、フルフィルメントの定義やおもな業務、導入するメリットを解説します。EC事業の拡大や効率化に向けて、フルフィルメントの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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フルフィルメントとは?

フルフィルメント(fulfillment)とは、「(業務)遂行・実現」という意味の英単語です。物流におけるフルフィルメントとは、おもに商品が注文されてから、注文元へ商品が届くまでの一連のバックエンド業務のことを指します。

EC業界における一連の業務(フルフィルメント)を外注サービスとして提供する「フルフィルメントサービス」を展開する企業も増加しています。おもにAmazonや楽天といったモール系EC通販企業、物流系企業によってフルフィルメントサービスが展開されています。

フルフィルメントの主要業務

フルフィルメントには以下の5つの主要業務があります。

  1. 受注管理
  2. 在庫管理
  3. ピッキング・梱包
  4. 出荷業務
  5. 返品処理

それぞれの業務内容について解説します。

1.受注管理

注文先からの受注と顧客情報管理、出荷準備などの業務です。まず注文を受けると注文データを処理し、在庫管理システムから在庫を引き当て、出荷指示を行います。その後注文状況の確認や顧客への注文完了や出荷完了報告などのさまざまなプロセスを経て商品が出荷されます。

EC事業を展開する企業によっては電話やメール、ECサイト経由などさまざまな販売チャネルがあります。フルフィルメントサービスでは、コールセンターなどで複数の販売チャネルへの対応や顧客情報の管理を含めて、すべての受注処理業務を行っている場合も多くなっています。

2.在庫管理

販売商品の在庫品質や数量を管理する業務です。在庫は商品の特性や性質に適した方法で管理されます。たとえば食品や医薬品などは温度管理や使用期限を管理したり高額商品は鍵を付けたり監視カメラの設置をするなどセキュリティ対策の高い方法で管理します。

在庫の品質を維持するために、古いものから出荷する「先入れ先出し」が徹底されます。よって、フルフィルメントでの在庫管理では先入れ先出しを踏まえた、作業効率の良い配置や保管方法が考慮されています。

3.ピッキング・梱包

ピッキングとは、倉庫内から必要な商品を取り出す作業のことです。出荷指示に従って、在庫から必要な商品を必要な数量だけ取り出します。高所にある商品をピッキングする場合には、フォークリフトなどの機器が使用されることもあります。

ピッキングした商品の流通加工または梱包する作業のことをパッキング(梱包)と言います。商品は検品後、必要に応じて組み立てや箱詰め、ラベリング、包装などを行います。その後段ボールなどに商品を梱包し、発送に進みます。梱包時、商品によっては破損を防ぐために緩衝材を入れたり、ラッピングをしたり、クーポンや注文のお礼状を入れたりといったこともします。

4.出荷業務

出荷業務は、梱包した商品の配送手配や、配送業者に受け渡す作業です。物流倉庫から商品が配送業者のトラックに受け渡され、出発した時点で出荷が完了します。出荷業務では、配送業者と連携し、集荷や受け取り方法の確認を行います。

5.返品処理

出荷した商品に不具合があった場合は、返品や交換の業務を行います。注文自体をキャンセルしたり、返金処理をしたりといった対応のほか、返品された商品の検品なども行います。

返品の理由によっては購入者への謝罪も行います。特に購入者への謝罪対応の仕方によっては企業やブランドへの信頼やイメージを大きく損なうことにもなるでしょう。フルフィルメントサービスを利用するときには、返品の流れや具体的な対応方法についても確認しておくと安心です。

フルフィルメントを導入するメリット

フルフィルメントサービスを利用することで、以下4つのメリットが得られます。

  •  コスト削減
  •  業務効率化
  •  顧客満足度の向上
  •  スケーラビリティの確保

それぞれのメリットについて解説します。

コスト削減

フルフィルメントサービスを利用することで、自社での倉庫やコールセンターの設置費用および人件費といった固定費のコストを削減できます。固定費を削減することで、コストバランスが最低限の固定費と変動費(売り上げによって変動)となるため、利益を出しやすくなるのがメリットです。

当然フルフィルメントサービスを利用する際にコストは発生しますが、既存の固定費とのバランスを考えると、コスト削減となる場合も多いでしょう。たとえばEC事業規模が小さい場合や、季節や時期によって事業の稼動率に変動がある場合は、フルフィルメントサービスによってコスト削減が期待できます。

業務効率化

フルフィルメントサービスは、EC事業のバックエンド業務を外注できるサービスです。プロが業務を担うことで、EC事業に関する業務全体の効率化や、オペレーションの安定化につながります。バックエンド業務を外注することで、ほかの従業員はコア業務に注力できるようになるのがメリットです。

顧客満足度の向上

フルフィルメントサービスなら、業務専門家へ業務を委託することができ、品質が高く迅速な対応が期待できます。万が一不具合などで返品や返金の対応が必要になった場合も、専門的な知識やスキルによって対応を任せられます。お客様満足度の向上につながるため、競合との差別化を図りたいときにも有効です。

スケーラビリティの確保

スケーラビリティの確保の点でも、フルフィルメントサービスの利用は有効です。たとえば多種多様な商品在庫を管理するときには、在庫管理システムや保管設備の導入が必要ですが、フルフィルメント業者へ委託することで設備投資を抑えることができます。ほかにも顧客が多様な決済方法を選べるようになる、複数の販売チャネルを管理できるなどのメリットもあります。

まとめ

フルフィルメントの概要や主要業務、導入するメリットを解説しました。フルフィルメントサービスを活用することで、人手不足や業務効率化、コスト削減といったさまざまな課題解決やメリットが得られます。EC事業に課題がある場合には、ぜひ導入を検討してみましょう。

EC事業においてコスト面での課題やお悩みがあるときには「プロレド・パートナーズ」にぜひご相談ください。小売業、物流業界におけるコストマネジメントサポートに多くの実績がございます。

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